2022 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of untranslated RNAs and their target molecular species involved in airway hyperresponsiveness after lung transplantation.
Project/Area Number |
18K08864
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
花崎 元彦 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (60379790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 義彦 星薬科大学, 薬学部, 教授 (00287848)
倉橋 清泰 国際医療福祉大学, 医学部, 主任教授 (50234539)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 虚血再潅流傷害 / 肺移植 / 麻酔薬 / マイクロRNA / RhoA/Rho-kinase |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では肺虚血再潅流傷害後に認められる気管支平滑筋過敏性形成におけるRhoA-ROCK系の関与を証明し、その発現制御についてmicroRNA (miRNA) あるいはlong non-coding RNA (lncRNA) レベルまで検討して機序解明を行うことを目標とする。昨年度に引き続き細胞レベルで虚血状態を模倣するシステムとして低酸素下培養ヒト気管支平滑筋細胞 (human bronchi al smooth muscle cells: hBSMCs) を用いて検討を行い、以下の結果を得た。 次世代シークエンサーを用いたRNA-Seq解析の結果、通常酸素下 (21%) で培養した群と比較して、低酸素 (1%) で培養したhBSMCsではHIF-1αタンパク質発現増加を認めた。さらに種々のエンリッチメント解析の結果 “response to hypoxia” (Gene Ontology解析) や “HIF-1 signaling pathway” (KEGG Pathway解析) が有意にエンリッチされたことから、低酸素状態が確認できた。RNA-Seq解析データを元に転写産物発現量の比較を行ったところ、RhoA mRNA発現に有意な変化は認められなかった。したがって、肺虚血再灌流モデルにおけるRhoAタンパク質発現増加は、その転写促進ではなく翻訳促進が関与している可能性が示唆された。事実、RNAhybrid解析によりRhoA mRNAの3’-非翻訳領域との強い結合性が示唆されたmiR-659発現が1%-O2群において有意に減少しており、喘息モデルと同様、miRNAによる翻訳抑制が低酸素により解除されRhoAタンパク質発現増加につながる可能性が示唆された。一方、RhoA下流の機能分子であるROCK1およびROCK2のmRNA発現増加も明らかになった。したがって、虚血再灌流時にもたらされる低酸素状態が、気管支平滑筋における収縮関連タンパク質発現増加をもたらし、過剰な気管支平滑筋収縮すなわち気道過敏性を引き起こす可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)