2020 Fiscal Year Annual Research Report
The effects of general anesthesia via microRNA
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18K08870
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
石川 真士 日本医科大学, 医学部, 准教授 (30714745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 篤裕 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (30196084)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | microRNA / 麻酔薬 / 癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
microRNA(miRNA)はmessenger RNAの翻訳制御など遺伝子発現を調整する機能を有する。これまで全身麻酔の種類によってmiRNAがどのように発現し、各重要臓器や疾患においてどのような影響を与えるのか包括的に測定、比較してきた。本研究では、臓器障害時や癌においてどの麻酔薬が有利・不利かと分子生物学的に検討している。 本年度では癌細胞に対する麻酔薬の作用検討が課題であった。まず、対象癌細胞を卵巣癌SKOV3細胞と肺癌A549細胞とし、細胞実験レベルで麻酔薬の癌細胞遊走能、増殖能への影響を検討した。遊走能はWound healing assayにて、増殖能はCCK-8 assayおよびKi67の免疫染色にて評価した。SKOV3細胞において吸入麻酔薬セボフルランは遊走能、増殖能を促進した。その機序を検討するためにmiRNAをPCR法にて、タンパクをwesternblot法にて測定した。セボフルラン投与にてSKOV3細胞では癌増殖因子であるHIF-1αが発現亢進していた。また、HIF-1αをターゲットとするmiR-138/210が発現低下していた。以上より、セボフルランはmiR-138/210を抑制を介してHIF-1αの発現亢進をし、その結果、癌細胞の活動性を亢進させたと考える。 本結果をもとに、miR-138/210-HIF-1α経路を中心に、他の麻酔薬、癌細胞、ラットを用いたin vivo研究を計画している。
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