2019 Fiscal Year Research-status Report
補体活性化制御によるSTEC-HUSの治療を目指した基盤研究
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18K08871
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
尾崎 将之 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (50389459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田北 無門 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (60814613) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 志賀毒素 / シスタチンC / クレアチニン / 尿細管障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
志賀毒素産生大腸菌の摂取に起因する溶血性尿毒症症候群(hemolytic uremic syndrome, STEC-HUS)の病態については不明な点が多い。我々は、志賀毒素を投与されたマウスの糸球体濾過の低下において、補体レクチン経路の活性化が関与していることを示唆する結果を以前に報告した。一方で、STEC-HUSにおける尿細管障害の発症機序はこれまで未解明であり、尿細管の障害について検証を行った。 志賀毒素(125pg/g)をマウスに腹腔内投与し、STEC-HUSのモデルを作成した。志賀毒素投与後4日後に腎機能評価とし、尿細管障害として尿中シスタチンC/クレアチニン比(Urinary cystatin C-creatinine ratio, UCCR)、形態学的評価としてヘマトキシリンエオジン染色などの組織学的評価とした。その結果、UCCRはコントロール群で0.026 mg/mmolに対し志賀毒素投与群で0.062 mg/mmolと上昇を認めた。組織染色では、HUS群で尿細管細胞の脱落を認めた。このように志賀毒素投与4日後に機能的にも形態学的にも尿細管の異常を認めた。急性期をへた時期における組織像を確認するため志賀毒素投与より6週間後に腎組織を採取しPAS染色と抗CD10抗体を用いた免疫組織化学染色を行った。PAS染色では遠位尿細管直部にPAS陽性硝子円柱が認められた。抗CD10抗体を用いた免疫組織化学染色ではCD10陰性である遠位尿細管に円柱を認めた。志賀毒素を投与されたマウスでは投与後6週間後の時点においても遠位尿細管に組織学的な障害が認められた。 また、ヒトのMBLをノックインしたマウスを用いたHUSモデルを作成しヒトMBLに対する抗体(3F8)の効果を組織学的に評価した。その結果糸球体の血管においてフィブリンの沈着、血小板の沈着が抑制されることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
予期していなかった感染症の流行への対応に伴い、当初予定していた実験を2019年度中に完遂することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は抗C5抗体やトロンボモジュリンを投与することで志賀毒素による細胞障害を軽減できるか検証していく予定である。
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Causes of Carryover |
当初購入を予定していた物品の購入費が少なく済んだため。
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Research Products
(5 results)