2021 Fiscal Year Research-status Report
非出血性心停止モデルにおけるREBOAを用いた新規心肺蘇生法の開発
Project/Area Number |
18K08881
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
東 晶子 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (70802586)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 洋輔 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (00466707)
織田 成人 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (90204205) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | REBOA / 心肺蘇生 |
Outline of Annual Research Achievements |
REBOAは、主に大量出血時の一時的な止血および循環維持のため現在広く使用されている。バルーン拡張レベルよりも遠位の血流を低下させることにより、循環血液量を近位(中枢側)へシフトさせて昇圧効果を得るが、この作用は非出血心停止モデルにおいても有効な可能性がある。一方で、過度な中枢側の血圧上昇は頭蓋内出血などのリスクとなる。 そこで、まず健康なブタに麻酔下にREBOAカテーテルを挿入し、バルーンの拡張度つまり血管の遮断レベルを変化させたときの頚部および大腿部の動脈圧を測定した。また頚部~骨盤までの造影CTを撮像し4Dイメージを再構築して、遮断レベルより近位および遠位での血流を可視化した。 次に、非出血性心停止として、テンポラリーペースメーカーを用いた心室細動モデルをブタで作成した。通常の蘇生方法(機械的胸骨圧迫とアドレナリン投与、除細動)を行う群と、REBOAバルーンを拡張させた上で通常の蘇生を行う群に分け、それぞれにおいて蘇生中の動脈圧測定とバルーン近位部(頭部~大動脈弓部)の造影CTを撮像した。 上記の操作を6頭で実施し、うち最初の1頭はモデル作成用のものとして5頭分のデータで解析を実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
まず、造影CTで得られたデータを解析するための新規画像処理ソフトの操作法習得・解析に時間を要していた。現在は、造影CTデータからそれぞれの部位のtime/densityデータを抽出し新規のデータテーブルを作成できたので、解析へと進んでいる。 健康な状態での動脈圧測定および造影CT撮像に関しては、ほぼデータ解析が終了しており、結果をまとめて論文を執筆中である。 二つ目の非出血性心停止モデルに関しては、胸骨圧迫下でのCT撮像であったことから画像自体の質や、頸動脈の同じレベルでのdensity curveを得ることに問題があり、解析に遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
健康なブタに関するREBOAと動静脈圧、CTでの血流評価に関しては、論文執筆を進める。また、現在出血性モデルに関しても同様の実験を行っており、健常モデルとの比較も追加する予定である。 非出血性心停止モデルに関しては、蘇生中の動静脈圧等や蘇生後の採血データは得られており、まずそちらを先行して論文を作成する。造影CTから得られたデータは、1スライスごとに位置の補正を行いデータ抽出し、第二報として報告する予定である。
|
Causes of Carryover |
元々予定していた動物実験自体は速やかに終了しデータも得られたが、その解析法に問題が生じ時間を要している。また、結果の解釈のため追加の実験を行っているが、コロナウイルス感染症拡大の影響で動物実験施設の使用に制限があることも遅れている要因である。今後は一部追加実験に使用するが、主に論文の作成および学会発表等に研究費を使用する予定である。
|