2020 Fiscal Year Research-status Report
骨髄由来抑制細胞(MDSC)による頭部外傷後神経炎症の抑制効果に関する研究
Project/Area Number |
18K08886
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
細見 早苗 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (90644005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅村 穣 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (20743561)
吉矢 和久 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (40379201) [Withdrawn]
嶋津 岳士 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50196474)
小倉 裕司 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70301265)
大西 光雄 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (70597830)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経炎症 / 頭部外傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
外傷において頭部外傷の占める割合は大きく、なかでも頭部外傷は運動障害や高次脳機能障害をきたすため、患者のQOLを著しく下げ、社会復帰を妨げる。その社会的損失は甚大であるにも関わらず、その機能を回復させる効果的な治療法は現在のところ存在しない。我々は「頭部外傷後の神経炎症と神経変性」をテーマとして研究をすすめ、活性型ミクログリアが惹起する遷延性の神経炎症により、頭部外傷後の神経変性・神経細胞死が生じ、神経機能が障害されることを証明し、この炎症波及のメカニズムをBrain injury related inflammatory projections (BIRIP)と命名した。また、骨髄由来抑制細胞がBIRIPを抑制することをin vivo imagingを用いて証明した。さらに慢性期に高次脳機能障害が認められた爆傷ラットモデルを用いて、BIRIPを確認した。 本年度は、脳挫傷モデルマウスに対して、骨髄由来抑制細胞を損傷部位へ移植することにより、慢性神経炎症を抑制し、高次脳機能障害の発症を防止できるかを検証していく段階であったが、移植後、定着するのに十分な数の骨髄由来抑制細胞を回収・培養できず、改善策を検討している段階にある。他の抗炎症剤の併用もしくは変更も視野に入れ、臨床応用可能な治療方法の開発を目指していく。その結果を待って、臨床研究の実施に関して、院内の倫理委員会に書類を作成していく予定にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
移植するのに十分な骨髄由来抑制細胞を回収・培養できる、より最適な条件を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
脳挫傷モデルマウスにて、ミクログリアの炎症を抑える抗炎症薬を投与することにより、神経アウトカムが改善するかを検証していく。頭部外傷患者の慢性神経炎症に対する治療効果をPET画像にて定量的に評価する。
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Causes of Carryover |
COVID19の流行により、実験に差し支えが生じた。今後も神経慢性炎症の制御する新規治療法の開発を見据えて基礎・臨床研究の両方からアプローチしていく。
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Research Products
(1 results)