2018 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の救急・集中治療に対してフレイルが及ぼす影響:多施設共同研究
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18K08887
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
内藤 宏道 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (00536774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
頼藤 貴志 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (00452566)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高齢者 / 救急 / 集中治療 / フレイル・スケール / 予後 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究用の説明書、入院時・6か月後のアンケート等を作成し、パイロット研究(パイロット研究では3か月後にアンケート)を岡山大学病院を含む2施設で行った。フレイルの指標としては、臨床フレイル・スケールを用い、入院時に医療スタッフによって評価を行った。患者背景因子、入院後の治療に関わる因子を収集した。主要アウトカムはフレイル・スケールごとの3か月後生存とした。パイロット研究での登録症例は27例で、3か月後まで追跡可能であったの89%(24/27例)であり、予想通りの結果となった。臨床フレイル・スケールは4を中心に両側に均等な分布が認められ、データの極端な偏りはなかった。フレイル・スケールが進行した例ほど3か月後の死亡率が高い傾向があった(フレイル・スケール4:12.5%、6:50%、8:50%)。パイロット研究で使用した説明書やアンケートが機能し、目標としている追跡調査が実施できることが証明された。 本研究(多施設研究)は2019年11月から症例登録予定であり、登録開始に向け準備を進めている。データはREDCapを通じて各参加施設で登録するため、REDCap入力の手続きを行っている。 本研究は国内の救命救急センターもしくは集中治療専門医研修施設のICUに救急初療室から直接入室した65歳以上の患者を対象として前向きの患者登録を行う予定で、約20施設で1000例の登録を目標としている。現在、参加施設の募集と各施設への研究実施方法の説明を行っている。内諾を得た施設は、岡山大学病院の他に12施設あり、目標数の20を満たすように、さらに数施設の追加登録を行う予定である。多忙な業務の救急・集中治療の施設で確実な登録を行うための工夫が課題となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回の成果は、2施設のパイロット研究の実施にとどまっている。説明書やアンケート用紙を患者(家族)が理解し、有効な回答ができ、回収が可能であるかを証明した。本研究の実施を2019年11月から3か月の期間で行い、その結果を解析する予定であり、おおむね当初の計画通り研究は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
パイロット研究は順調に実施できた。結果を受けて、2019年11月から本研究の症例登録を行う。参加施設(目標20施設)を組み込みし、参加施設決定後、近日中に各登録施設での倫理委員会の申請を行い、多施設での患者登録を実施する。
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Causes of Carryover |
本年度は2施設のみでパイロット研究を実施し、説明書やアンケート用紙を患者(家族)が理解し、有効な回答ができ、回収が可能であるかを確認した。パイロット研究ではREDCap(データ収集用クラウドサービス)を使用しなかったため、残額が生じた。 次年度11月から本研究を行うが、その際には、REDCapを使用して各参加施設でデータ登録する。研究データ収集後もデータ解析期間中はREDCapの登録(使用料支払いあり)を継続たいため、予定より使用料が多くかかる見積もりである。次年度での使用としたい。
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