2019 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の救急・集中治療に対してフレイルが及ぼす影響:多施設共同研究
Project/Area Number |
18K08887
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
内藤 宏道 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (00536774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
頼藤 貴志 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00452566)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | フレイル / 高齢者 / 救急医療 / 集中治療 / QOL |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、我々が高齢者に行っている救急・集中治療はどれくらい高齢者の予後やQOLに寄与しているのか。そして、どのような背景(予測因子)の高齢者ではその意義が大きい、または小さいのかということを明らかにすることを目的としている。国内の救命救急センターもしくは集中治療専門医研修施設のICUに救急初療室から直接入室した65歳以上の患者を対象として前向きの患者登録を行っており、1000例の登録を目標とする。参加施設19施設(岡山済生会総合病院、岡山大学病院、かわぐち心臓呼吸器病院、熊本医療センター、済生会千里病院、佐賀大学医学部附属病院、産業医科大学病院、製鉄記念広畑病院、津山中央病院、帝京大学医学部附属病院、東京医科大学八王子医療センター、長崎医療センター、長崎大学病院、日本赤十字社医療センター、兵庫医科大学病院、兵庫県災害医療センター、広島大学病院、横浜医療センター、淀川キリスト教病院)での研究実施方法に関してのミーティングを実施し、集計項目を確定し、データ集積管理システム(REDCap)の構築を行った。また、各施設で倫理委員会の承認を得た。 2019年11月から参加各施設で症例の組み込みを開始した。2020年4月の時点で974例の症例がREDCapに入力されている。症例はさらに増加する見込みである。2020年5月からは主要評価項目である6か月後の生存に関しての郵送による調査を開始する。予後調査方法確認のための多施設でのミーティングを行った。2020年11月までに最終データの確定を行い、解析後、成果発表を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、各施設でのデータ収集を行っており、最終的なデータ確定は11月以降になる予定である。本年度の成果は、19施設でのデータ収集項目の確定と各施設での倫理員会の承認、データ収集の開始である。当初2019年11月から3か月でのデータ収集とそのさらに6か月後の手紙・電話調査の予定であったが、データ組み込み1ヵ月後の計算で、症例数が少なかったため、データ組み込み期間を4か月に延長した。また、各施設での倫理委員会の通過時期が異なったため、データ組み込み開始時期が2019年11月から2020年1月となった。主要評価項目の収集が2020年5月から2020年10月に行われる。以降に解析を行い、最終結果を提示できる予定である。多施設研究であり、特に倫理委員会の承認に時間がかかり当初の計画より約6か月程度遅れてはいるものの、おおむね順調に研究は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね順調にデータ収集が実施できている。本結果で、予後とQOLに対するフレイルの影響を検証する。高齢を根拠に必要な治療が省略されることがないように、また逆に高齢者にとって不利益な過剰治療を制限する根拠となる、客観的指標を提示し、救急・集中治療の現場はもちろんのこと、地域包括ケアシステムでも高齢者の治療方針決定の一助となるデータの提示が期待される。
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Causes of Carryover |
本年度はREDCapの使用料(データ収集用クラウドサービス使用料)およびアンケートの送付に係る消耗品等の購入が予定していた額よりも安価に費用を抑えることができたため次年度使用額が生じた。 次年度は、参加施設への発送料や消耗品の購入等が当初の予定より多く要することが見込まれることから、当該費用にあてる。
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