2018 Fiscal Year Research-status Report
Inovation of diagnosis and treatment for the regulation of sepsis by microRNA-21.
Project/Area Number |
18K08893
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
蒲原 英伸 熊本大学, 医学部附属病院, 准教授 (90398222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江嶋 正志 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (20718316)
早田 学 熊本大学, 医学部附属病院, 病院教員 (30646120) [Withdrawn]
鷺島 克之 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (40336235)
徳永 健太郎 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (50751335)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | microRNA / microRNA-21 / 敗血症 / SIRS / Innate Immunity |
Outline of Annual Research Achievements |
感染症に臓器不全を合併すると、敗血症として不可逆的な多臓器不全へと重症化することを経験する。薬物治療に未だ有効なものはなく、新たな診断・治療法の開発が求められる。Small RNAのmiRNAは多くの標的分子を翻訳レベルで制御し、細胞内だけでなく、血液・尿などの細胞外においてExosome内に安定して存在し、細胞間の情報伝達を担っている。敗血症とmiRNAに関する報告は少ないが、敗血症動物モデルにおいて、miR-21が細胞増殖関連分子PDCD4を制御し、敗血症の生存率を改善することが報告された(Science signaling 2016, Nature Immunol 2009)。我々は食道癌の進行度診断を明らかにすることを目的に、食道癌の組織検体 (CCR,2009)、および血清中でのmiR-21の解析(J Surg Oncol,2012)を行ってきた。また、血清中のExosomeに着眼し、その中のmiR-21の発現解析を行った。軽度の慢性炎症の存在の中、miR-21は癌と炎症の両バイオマーカーの可能性が指摘された(Cancer, 2013)。今回、敗血症の臨床情報とmiR-21発現を検証し、miR-21を敗血症に対する新たな診断および創薬として応用していくことを追究していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
敗血症患者のExosomal miRNA-21の発現と種々の臨床的dataとの比較検証を行う。特に、炎症との関連性を明らかにする。その後は敗血症モデルにて、miR-21の創薬としての効果を分子生物学的、病理学的検証を行うことを目的としている。 A. 健常者と敗血症の患者血清の採血と保存 同意取得後に検体を回収し、遠心分離後の上清を細胞成分の混入に配慮し、-80℃に凍結保存を行っている。現在、サンプル数がまだ少なく、Exosmeの分離精製までは至っていない。今後の多くの患者サンプルの収集を継続していく。 また、免疫担当細胞(好中球、単球)においてmiR-21とPDCD4の発現解析を行い、敗血症におけるこの関係性(MiR21-PDCD4)の特異性を明らかにするために、患者および健常者の細胞を分離精製後に、MegaMax nucleic acid isolation kitを用いて、DNaseI処理を追加し、mRNAおよびmiRNAの精製、さらに、RT primerを用いてRTを行い、TaqMan probe based real time PCRを行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
健常者と敗血症の患者血清の採血と保存については、引き続き患者同意取得後のサンプルの収集を継続し、Serumを分離精製の上、Assayまでの間、-80℃に保存しておく。また、敗血症のサンプルは単球、好中球の分離精製の上、今後のmiRNAの発現解析のために、mRNA精製の後、Assayまでの間、-80℃に保存しておく。 miR-21とPDCD4の発現との関連性の解析については、患者検体が集積されるまでの間、THP-1, HL-60細胞のような免疫担当細胞由来の細胞株を用いて、LPS刺激などによる解析を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
敗血症患者のExosomal miRNA-21の発現と種々の臨床的dataとの比較検証を行う。特に、炎症との関連性を明らかにするために、分子生物学的手法により、miRNAの精製および発現解析のために必要なExosome精製kit、MegaMax nucleic acid isolation kit, TaqMan probe based real time PCR kitなどの消耗品を主体に予算が発生する。 免疫担当細胞の分離精製のための、バッファーなどの消耗品、単球由来の細胞株を用いた際の、細胞培養に関する消耗品に予算を使用していく予定である。また、敗血症とmiRNAの発現に関する報告と学会における情報収集のために、旅費、参加費などの諸経費が発生する予定である。
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Research Products
(5 results)