2019 Fiscal Year Research-status Report
救急外来で急性心筋梗塞の安全な除外を支持するトロポニンとリスクスコアの実証研究
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18K08902
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
岩田 充永 藤田医科大学, 医学部, 教授 (10799464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八谷 寛 藤田医科大学, 医学部, 教授 (30324437)
寺澤 晃彦 藤田医科大学, 医学部, 教授 (30399597)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高感度トロポニン / 連即測定法 / 非ST上昇型心筋梗塞 / 観察研究 / システマティックレビュー / 診断精度 |
Outline of Annual Research Achievements |
一次研究(2018年6月より藤田医科大学病院救急外来を受診し、高感度トロポニン(シーメンス社ケミルミhsトロポニンI)で3リスク群T0-1アルゴリズム連続測定法で非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)のリスク評価を行った後方視的観察研究)については2018年度までの患者数357名から2019年度は合計754名まで症例数が増加した。低リスク群(228名)の陰性的中率および感度はともに100%を維持し、安全なNSTEMIの除外が確認された。高リスク群(176名)の陽性的中率は26%、特異度は82%であり、さらなるリスク層別化など効率的なマネジメントが必要と考えられた。本結果は2020年4月末まで観察を延長後に終了し、論文化予定である。 当施設の検査システム総改革が2020年5月中に予定され、これに伴い高感度トロポニンアッセイおよびその測定機器がシーメンス社ケミルミからAbbott社ARCHITRECT-STATに変更となる。後方視的観察研究の結果確定をもとに予定していた前方視的試験はこの変更に伴い、研究開始時期をアッセイ変更後に延期とした。2020年5月14日現在、新たなアッセイの運用状況を確認中であり、確認後に試験開始を予定している。 システマティックレビューについては文献検索を更新し、2019年7月までに出版された高感度トロポニン連続測定法によるNSTEMIの診断精度または全死亡・心血管イベント等の短期アウトカムを検討した51件を検討した。連続2回測定に基づく3リスク群T0-1、T0-2、T0-3アルゴリズムが中心に検討されていた。研究は前方視的に実施されていたが、種々の理由から対象集団(救急外来を胸痛で受診しSTEMIが除外された患者群)の最大5割程度が除外されていた。既報結果は救急外来における一般化については問題が懸念された。本結果は2020年度早期に投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当施設の検査システム総改革が2020年5月中に予定され、高感度トロポニンアッセイが変更となるため、研究途中のアッセイ変更は解析および結果の一般化に大きな問題となる。そこで、先行研究(日常診療結果に基づく観察研究)を延長し、2019年度中に予定していた前方視的試験はアッセイ変更後に延期とした。また、システマティックレビューについては進捗自体の遅れ、およびCOVID-19感染症の流行から英国にある共同研究期間との直接共同研究の機会が延期しており、当初の予定より半年程度遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
一次研究の先行研究(観察研究)についてはアッセイが変更となる前の2020年4月末までで観察を終了し、論文化予定である。この結果をもとに予定されていた前方視的試験は2020年5月14日現在、新たなアッセイの運用状況を確認中であり、確認完了後に試験開始を予定している。システマティックレビューについては2020年度早期にスコーピングレビュー部分を終了し、現在のエビデンスの大半を占めるRoche社ElecsysトロポニンTおよびAbbott社ARCHITRECT-STAT トロポニンIについての検査精度のメタ解析に移行する。
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Causes of Carryover |
一次研究については当施設の検査システム総改革で高感度トロポニンアッセイの変更が生じ、先行観察研究の最終観察期間を延長したため、結果の論文化および出版が遅延していること。さらに、この変更に伴い前向き観察研究開始が延期となったため、予定していた種々の予算が執行できなかったことによる。 システマティックレビューについては2019年度中に国際間共同研究を行っている英国エクセター大学Peninsula Technology Assessment Groupを訪問し、スコーピングレビュー部分を最終化する共同研究を予定していたが、COVID-19感染症の関連で訪問を延期、関連する旅費予算が未執行の状態となっている。こちらについては感染収束状況を適切に確認後、訪問を予定している。
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Research Products
(3 results)