2023 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of hyperglycemia and hyperoxia on impaired perfusion cultured vascular endothelial cells
Project/Area Number |
18K08915
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
小幡 由佳子 浜松医科大学, 医学部附属病院, 協定訪問共同研究員 (90432210)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 血管内皮傷害 / 高血糖 / 高酸素 / 灌流下培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管内皮は炎症や虚血再灌流障害の際に臓器と同様に重要な役割を果たし、様々なシグナル伝達を介してメディエータとして働いている。生体内では血管内に血 液が流れることによりシェアーストレスがかかり、血管内皮細胞が様々な反応を起こしている。しかし今まで報告されている血管内皮細胞を用いた研究では静止 モデルが使われており、実際に灌流したものはほとんどない。我々は実際に培養開始時期から血管内皮細胞に対して灌流を行い、シェアーストレス下に生体内の 血管内皮に類似した細胞を作成し、より生理的な条件下で臨床の場でよく見られる虚血再灌流や重症感染にともなう急性の高血糖と高酸素の合併ストレス状態を 作成し、その時の内因性活性酸素種の定量や炎症に関連する内皮細胞機能の変化を検討することを目的とする。細胞を灌流下で培養することにより、細胞の形態 や機能に違いが起こることが知られている。我々は実際に血管内皮細胞に対して細胞培養開始時期から灌流を行うことで、より生理的条件下で培養細胞を完成さ せる予定であった。これは実際の血管内皮に類似する構造や性質を持つと考えられ、更にこの細胞に灌流下で低酸素再酸素刺激または感染刺激を与えた後に高血 糖、高酸素状態で灌流するモデルを作成しその時の内因性活性酸素種の定量、細胞内シグナルおよび細胞機能の変化、細胞障害作用を示すかどうかを検討する予定であった。 灌流下での血管内皮細胞培養モデルの作成が最初の目的となり、これまでに酸素濃度変更可能な培養庫を準備し、灌流用装置を作成し、最適な流量、培養日数、 培養細胞数などを検討した。 また現在までに静置培養した血管内皮に軽度の急性高血糖状態を作成し、正常血糖状態と比較しブラジキニンによるカルシウム応答が変化するか確認中であるが、統計処理可能なn数を得られなかった。同様に活性酸素種の定量についても検討したが一定の見解を得るに至らなかった。
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