2020 Fiscal Year Research-status Report
敗血症性心筋障害におけるアポトーシスの制御とGLP-1受容体の役割解明
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18K08921
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉富 修 長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (30380926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関野 元裕 長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (40380927)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 敗血症性ショック / 心筋拡張障害 / アポトーシス / GLP-1受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症とそれに伴う多臓器不全を合併する患者の死亡率は、集中治療医学の著しい進歩にもかかわらず、依然として高い。敗血症心筋は早期より構造的および機能的に障害され、収縮機能および拡張機能が障害されていることが指摘され、敗血症性心筋障害(septic cardiomyopathy)という概念が提唱されている。特に敗血症性ショック症例には心筋拡張障害が多数認められ、注目されている。実際に拡張障害の存在が重症敗血症および敗血症性ショックの独立した予後予測因子であるとも報告されている。敗血症による心筋障害メカニズムとして、炎症性サイトカインによる心筋抑制、β受容体のダウンレギュレーション、細胞内ミトコンドリアの障害、心筋細胞のアポトーシス、細胞内Ca2+輸送障害などが、多くの研究で報告されているが、明確な結論は得られていない。 一方、近年の様々な研究により、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の多様な作用が明らかになってきており、心筋細胞にもGLP-1 受容体の存在が確認され、心不全マウスモデルにおいてGLP-1による心筋アポトーシス抑制作用が報告されている。 本研究では、敗血症性心筋障害におけるアポトーシスの制御とその機序に着目し、ブタの敗血症モデルを用いて、GLP-1受容体作動薬が敗血症性心筋の収縮および拡張障害に与える影響、さらに抗アポトーシス効果とその分子細胞学的機序を明らかにすることを目的とする。 ブタ敗血症モデルにおいてP-V計測カテーテルを用いた心筋収縮および拡張機能の評価を行い、早期より心筋拡張が障害される傾向にあった。さらにGLP-1受容体作動薬が与える影響とその分子細胞学的機序について検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症患者の増加に伴い臨床業務に従事せざるを得ない状況となり、予定通りの研究時間が取れなかった。また研究で使用するPV計測システム(ADVantage:プライムテック社)のメインテナンスが必要となり、業者の来崎を予定していたが、東京の業者のため来崎してもらうことが出来ず、機器を東京に搬送して行ったため、メインテナンスに期間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
ブタの敗血症モデルを用いて、GLP-1受容体作動薬リラグルチドが敗血症性心筋の収縮および拡張機能に与える影響について検討する。その後、TUNEL法にてアポトーシスの検出を行い、抗アポトーシス効果についても検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の影響で、実施予定であった敗血症心筋におけるアポトーシスの機序解明のための検討の一部を次年度に施行予定であることから次年度使用額が生じた。検査費用、実験用動物、消耗品および論文発表の際の諸経費に使用予定である。
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