2020 Fiscal Year Research-status Report
多発外傷時における白血球遺伝子発現プロファイル解析:T-iPS細胞療法の応用
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18K08927
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
武山 直志 愛知医科大学, 医学部, 教授 (00155053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 久剛 愛知医科大学, 医学部, 助教 (10620867)
富野 敦稔 愛知医科大学, 医学部, 講師 (70440980) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | cell-free DNA / histone |
Outline of Annual Research Achievements |
重症多発外傷は、創部感染をはじめとした遅発性合併症を契機に多臓器不全に陥ることが多いため、その病態解明は急務である。重症多発外傷では、出血、輸血、虚血再灌流、組織還流障害、疼痛、骨折端からの骨髄液漏出、壊死細胞由来のDAMPs等により自然免疫系、組織再生因子、血管新生が活性化され損傷組織の修復が始まる。われわれは、重症多発外傷時の炎症担当細胞における遺伝子発現に注目している。サイトカイン産生、T細胞分化・増殖、T細胞受容体多様性をはじめ、多くのの細胞現象は、新規の遺伝子発現を介して調節されている。これらの様々な免疫・再生・修復障害が、易感染性、細胞修復不全、ひいてはpersistent inflammation immunosuppression and catabolism syndromeを惹起し長期予後を悪化させている。しかしながら従来検討されてきた現象は、蛋白発現後の結果を観察しているのみで、そのベクトルを正確に解釈することは難しい。病態の本質に迫るためには、これらの蛋白合成を規定しているmRNA発現の解析が不可欠である。われわれは、外傷侵襲により大量に産生されたDAMPsが、これらの統合された炎症・免疫反応をmRNAレベルで攪乱するgenomic stormと呼ばれる調節不能状態を惹起し、多臓器不全を引き起こしていると推察している。本研究では、 DAMPsが炎症担当細胞の遺伝子発現プロファイルに及ぼす影響を明らかにするために、多発外傷患者における、末梢血白血球免疫関連遺伝子発現のマイクロアレ イ解析を行う予定である。とりわけ核由来のHMGB1,histone,DNAをはじめとしたDAMPsの炎症惹起作用に注目し解析をおこなっている。さらにこれらDAMPs量を調節する新規の治療法も開発中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
核由来のHMGB1,histone,cell-free DNAをはじめとしたDAMPsの制御方法に関する検討を進めている
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Strategy for Future Research Activity |
核由来のHMGB1,histone,DNAをはじめとしたDAMPsがtoll-like receptor(TLR)に作用しどの程度細胞を活性化させるのかをHEK-blue hTLR4, 7細胞を用いて検討している。
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Causes of Carryover |
国際学会が中止になり旅費交通費が不必要となった
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