2022 Fiscal Year Annual Research Report
Functional Analysis of Innate Lymphoid Cell in sepsis.
Project/Area Number |
18K08928
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
津田 雅庸 愛知医科大学, 災害医療研究センター, 教授 (70506683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武山 直志 愛知医科大学, 医学部, 特命教授 (00155053)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Innate Lymphoid Cell / 敗血症 / Immunoparalysis |
Outline of Annual Research Achievements |
今回の研究において自然免疫系のリンパ球であるInnate Lymphoid Cell (ILC)の敗血症における機能解析を行い、新たな診断治療の指標とすべく研究を開始した。ILCは抗原受容体を持たない自然免疫系のリンパ球(Spits H, Di Santo JP. Nat Immunol. 2011;12:21-7.)であり、感染制御を担う重要な細胞であることが示されている(von Burg N, Turchinovich G, Finke D. Front Immunol. 2015;6:416.)。 当院集中治療室(Emergency Intensive Care Unit:以下EICU)に入院した敗血症患者(Sepsis-3(JAMA. 2016 Feb 23;315(8):801-10. doi: 10.1001/jama.2016.0287.)における敗血症)とEICUに入室した非敗血症患者(外傷、くも膜下出血、熱傷、心肺停止後症候群、急性薬物中毒など)で比較検討を行った。平均年齢は敗血症(中央値73.0歳)、非敗血症(中央値67.0歳)、C-reactive proteinは敗血症13.5 ± 2.0(SE)mg/dl、非敗血症8.8 ± 1.8 mg/dlと有意差は認めなかったがプロカルシトニンは敗血症群で有意に上昇していた(敗血症17.5 ± 7.3 ng/ml、非敗血症1.1 ± 0.3 ng/ml)。 ILC-1細胞はリンパ球中で敗血症群0.32 ± 0.03%、非敗血症群0.40 ± 0.03%と非敗血症群で有意(p>0.05: Mann-Whitney test)に高値を示した。一方自然免疫系で重要な働きをするNK細胞は敗血症群13.5±2.0%、非敗血症群14.7±1.4%と有意差を認めなかった。またサイトカイン産生の影響も検討を行ったが、INF-g、IL-6、IL-10、TNFaにそれぞれ有意差を認めなかった。 今回の検討では敗血症患者においてILC細胞が減少している結果となった。このことは敗血症における免疫抑制の一因を担っていると考えられる。実際に単球中のHLA-DR陽性細胞も敗血症では(48.0 ± 6.0%)非敗血症(74.0 ± 5.0%)と比べ有意(p<0.05: Mann-Whitney test)に減少しており、敗血症における免疫抑制の理由の一つを示唆される結果となった。
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