2019 Fiscal Year Research-status Report
心肺停止蘇生後の記憶障害に対するTNF-α阻害薬による治療効果の検討
Project/Area Number |
18K08930
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
若崎 るみ枝 福岡大学, 医学部, 助教 (20461527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山浦 健 九州大学, 医学研究院, 教授 (70264041) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 遅発型細胞死 / 心肺蘇生後臓器障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、心肺停止患者の心肺蘇生率は、心肺蘇生法の進歩により上昇傾向を示している。一方で、蘇生患者の半数以上は脳症あるいは腎不全を発症し、重篤な神経学的および循環動態異常を示すことが深刻な問題となっている。それらの発症機序は未だ明確でなく、有効な治療法の確立に至っていないのが現状である。記憶障害が残存した患者では社会復帰が困難な場合が多く、蘇生後脳症患者の増加は、大きな社会的損失となる可能性がある。また腎機能障害も同様であり、特に末期腎不全の場合には社会復帰に大きな障害となる。 本研究では、心肺停止蘇生後の脳および腎機能障害に対する新規治療法の開発を目指すべく、脳・腎臓における蘇生後病態発症機構の分子基盤を明らかにすることを目的としている。これまで、蘇生後脳症患者の海馬領域における「遅発型神経細胞死」と近傍の「ミクログリアの異常活性化」を見出している。さらに、ミクログリアを除去した遺伝子改変マウスを作製し、心肺蘇生後脳症誘発処置を施したところ、ミクログリア除去マウスにおいて蘇生後脳症にみられる海馬領域の神経細胞死が有意に抑えられた。このことは蘇生後脳症によるミクログリアの異常活性が遅発型神経細胞死を誘導している可能性があることを示している。しかしながら、「ミクログリアの異常活性化」から「遅発型細胞死」に至る機序は不明であり、未だ詳細な関係性の解明に至っていない。今後、本研究実施計画に基づき、脳・腎臓において心肺停止蘇生後(各組織虚血再灌流後)の遅発型細胞死のメカニズムを各種遺伝子改変マウスやin vitro実験系などを駆使し明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、心肺停止時に予想される虚血状態が、蘇生後の脳・腎機能に及ぼす影響を検討するものである。昨年度は、本研究を遂行するための予備実験にとどまっている。他業務(臨床麻酔業務)に費やす時間等を鑑み、実験期間を令和4年度まで予定しているため、問題はない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、心肺停止時に予想される虚血状況(低酸素状態)を設定し、状況誘発的な病態モデル(脳症・腎不全)を作製することで発症メカニズムの詳細を検討する。具体的には、各組織を虚血再灌流状態に曝露することで、分子メカニズムを解析する。
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Causes of Carryover |
当該期間中は、本実験に使用する消耗品、器具等を購入した。今後は、目的遺伝子改変マウス解析や培養関連の物品(消耗品、器具)購入に費やす予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Glomerular filtrate proteins in acute cardiorenal syndrome.2019
Author(s)
Wakasaki R, Matsushita K, Golgotiu K, Anderson S, Eiwaz MB, Orton DJ, Han SJ, Lee HT, Smith RD, Rodland KD, Piehowski PD, Hutchens MP.
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Journal Title
JCI Insight
Volume: 21
Pages: e122130.
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research