2020 Fiscal Year Research-status Report
ヒト中枢神経系におけるGlymphatic systemの機能解明
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18K08946
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
秋山 幸功 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50404653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 拓 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20381254)
堀尾 嘉幸 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30181530)
鰐渕 昌彦 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30343388)
三上 毅 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30372816)
三國 信啓 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60314217)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Glymphatic system / 水頭症 / 認知障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
中枢神経系には長らくリンパ系は存在しないとされていた。しかし近年、末梢臓器において組織液を吸収、老廃物などを除去する機能を有する“リンパ系”に相当するGlymphatic systemが、特にげっ歯類では中枢神経系において存在し、髄液や組織間液がリンパ液の代用として働いているのではないかと考えられるようになった。本研究は、ヒトにおいてGlymphatic system の存在を証明することを目的とする。 方法:正 常 ボ ラ ン テ ィ ア 30 例 と、 認 知 症 患 者 10 症 例 計 40 例 のMR spectrographyを施行した。3.0T MRI (GE Healthcare, Milwaukee, WI)Spine coilを使用した。全例病変部と思われる部分とは無関係なcorona radiata部にcolume of interest(VOI)を設定し、The single-voxel point-resolved spectroscopy sequenceを用いて計測した。 結果:The mean level of intracerebral white matter metabolites in NPH patients and asymptomatic volunteers were as follows: 7.53 ± 2.89 and 11.18 ± 0.61 in NAA (p <0.01), 12.66 ± 3.26 and 5.15 ± 2.60 in MM14 (p <0.01), and 9.72 ± 3.49 and 3.12 ± 1.76 in MM17 (p <0.01), respectively. 正常圧水頭症患者において、有意にmacromoleculeの増加が認められ、何らかのclearance systemの障害が疾患に影響していることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒトにおいてもGlymphatic systemが脳内で存在する可能性が高いことを証明し、結果は、Akiyama Y, et al., Accumulation of Macromolecules in Idiopathic Normal Pressure Hydrocephalus, Neurol Med Chir (Tokyo) 2021 Mar 15;61(3):211-218に投稿、publishされた。 現在、コロナウイルス蔓延の関係で学会発表ができておらず、1年の延長を申請、全国学会において発表する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、Glymphatic systemの機能低下が存在すると考えられる認知症患者を対象にその脳内代謝産物の定量的測定を行い、Glymphatic systemの改善剤が認知機能改善にどのように影響するかを検討したい。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染蔓延のため、予定していた学会参加の中止を余儀なくされた。データの蓄積を継続しており、その解析費用および、今後全国または国際学会参加が可能となった際にその発表費用として次年度へ延長申請を行った。
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