2018 Fiscal Year Research-status Report
リポカリン型プロスタグランジンD合成酵素からみた髄液リンパ系ドレナージの検討
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18K08947
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
間瀬 光人 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (60238920)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | prostaglandin D synthase / cerebrospinal fluid / subarachnoid hemorrhage / lymphatic drainage / mouse / vasospasm |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,くも膜下出血代謝産物のクリアランスにリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素(L-PGDS)が輸送蛋白として関与し,その排泄経路を調べることにより,髄液のリンパ系ドレナージの存在と役割を明らかにするのが目的である. 諸般の事情によりモデル動物をラットからマウスに変更した.そのため今年度はマウスくも膜下出血モデル作成の準備を行った.種々のモデルを検討した結果,頸動脈から挿入したナイロン糸による動脈穿通モデルが最も生理的くも膜下出血に近く,かつ再現性のある病態が得られるとことが明らかとなり,採用することに決定した.マウスL―PGDSモノクロナール抗体については研究協力者より入手予定で,現在その抗体の検証準備中である. また髄液リンパ系ドレナージに関する情報収集を目的として国際学会に参加し,世界各国の研究者と積極的に意見交換を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初,モデル動物としてラット用いる予定であった.しかしラットL―PGDS抗体の入手が困難で,また抗体を新規作成するのにはコストと時間がかかることが明らかとなった.マウスL―PGDS抗体は研究協力者より入手可能なので,モデル動物をラットからマウスに変更した.マウスくも膜下出血モデルについて情報収集を行い,再現性と汎用性のあるモデルを決定するのに時間を要した.
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Strategy for Future Research Activity |
1)L-PGDS抗体はrecombinant L-PGDSを用いて検証する. 2)マウスくも膜下出血モデルの作成を開始し,頭蓋底部硬膜,嗅粘膜,頸部リンパ節を経時的に採取し,免疫染色と抗体カラムを用いてL-PGDSを取り出す. 3)採取し精製したL―PGDSに結合する蛋白をmass spectroscopyで同定する. 4)可能であれば同様の実験をノックアウトマウスで行う 5)結果を論文化する.
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Causes of Carryover |
L-PGDS抗体の準備が間に合わず動物実験が開始できなかったため,実験に関する支出は本年度はほとんどなかった.次年度は動物モデルを用いた実験を開始する.次年度使用額は実験動物や種々の試薬,薬品など,動物実験に関連した費用に使用する.
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