2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of endovascular treatment for giant cerebral aneurysm employing virtual engineering approach
Project/Area Number |
18K08949
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
吉野 義一 自治医科大学, 医学部, 教授 (70323681)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳動脈瘤 / 流体解析 / 壁面せん断応力 / CFD |
Outline of Annual Research Achievements |
当施設の臨床症例のデータベースより治療が困難なタイプの動脈瘤、すなわち大型・巨大脳動脈瘤症例、小型でもコイル塞栓術後に再発した症例、経過中に動脈瘤が増大した症例を4例を追加収集した。これら脳動脈瘤の3次元データ(DICOM画像)を解析し、親血管の血管径や分岐角度、動脈瘤への血液流入角度、瘤のネック部における壁面せん断応力(WSS)や壁面圧などのパラメーターについて、CFD(Computational Fluid Dynamics)解析ソフトを用いて解析した。それぞれの脳動脈瘤について、その発生、あるいは治療後の再発に関連する因子を検討した。形態学的な特徴量による因子として、動脈瘤中心軸のprojectionと、血流に沿った親血管の走行軸とのなす3次元的位置関係が鋭角になるほど動脈瘤の増大傾向を認めていたが、これらの症例でも同様の傾向を認めた。動脈瘤ネック径が大きいもの、親動脈の血管径が大きいのもでコイル塞栓術後に治癒が得られにくい傾向を認めた。CFD解析においては、昨年度と同様に脳動脈CFD血流解析研究支援ソフトウェアhemoscopeを用いた。Pre processingにAvizoおよびZIOを用いて解析した。解析条件は定常で行い、血液をニュートン流体として、また血管壁は剛体壁として解析した。WSSおよびWSS gradientの値に注目して解析したが、現在のサンプル数においては、形態学的特徴量及びCFDバラメータともに統計学的に有意な大型脳動脈瘤の発生要因は示されていない。今後もサンプル数を追加して現在の解析を継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床データの動脈瘤サンプル数が当初の予定よりやや少なく統計学的な有意差を得るに至っていない。解析は順調に進んでおり、進捗はやや遅れているものの当初計画どおり研究課題は進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きCAD(Computer Aided Design)の手法を用いて、人工的な脳動脈瘤モデルを分岐部型、side-wall型、wide neck型など臨床の病型に即した様々な仮想脳動脈瘤を作成する。それぞれについてこれまでの結果を参考に増大因子を求め、これらを改変することによる流体力学的な影響をコンピュータによるvirtual simulationの技術を用いて解析する。これらの結果を動脈瘤の治癒に関連する因子として、デバイス開発など血管内治療に応用する手法を考案する。
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Causes of Carryover |
現在使用中の3次元画像解析ソフトウエアのバージョンアップを予定しているため、研究予算の次年度への繰越を行った。翌年度分として請求した助成金と合わせてこれらの購入及びバージョンアップ費用として使用する計画である。
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Research Products
(15 results)