2020 Fiscal Year Annual Research Report
Biomarkers for evaluation of clinical activity of VEGFR-targeted vaccines against malignant brain tumor patients
Project/Area Number |
18K08951
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
植田 良 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30317143)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 難治性脳腫瘍 / 腫瘍抗原ペプチドワクチン / 脳腫瘍血管新生 / バイオマーカー / 免疫療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、申請者らが実施している難治性脳腫瘍(悪性神経膠腫、治療抵抗性の神経鞘腫・髄膜腫・脊索腫等)新生血管を治療標的としたペプチドワクチン療法臨床試験被験者検体を用いて、抗腫瘍免疫ネットワークにおける正と負の調節細胞・分子や腫瘍血管新生・浸潤性関連因子について解析し、同治療の臨床的有効性との関連性を評価した。この結果に基づいて、同がんワクチン免疫療法の治療有効性を予測し得る因子やがん免疫病態の個体差を解明し、同療法に対する反応性・抵抗性の新たな評価法を開発することを目指した。 2020年度は、(1)同ペプチドワクチン療法臨床試験被験者検体の収集と保存と、(2) 標準治療が施された患者検体、および同臨床試験患者検体を用いた免疫応答関連細胞・因子についての解析を計画していた。 (1)現在進行中の「初発悪性神経膠腫に対するがんペプチドワクチン療法の第I/II相臨床試験」2症例、「進行性神経鞘腫を有する神経線維腫症2型に対するVEGFR1/2ペプチドワクチンの第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験」2症例、「再発・進行性難治性脳腫瘍に対するVEGFR1/2ペプチドワクチンの第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験」1例の被験者の検体および臨床情報を新たに収集した。 (2) 同ワクチン療法による臨床的有効性を認めた患者検体では、ワクチン療法後にVEGFR発現細胞反応性細胞傷害性T細胞の高頻度検出、血漿中のIL-8値の低下を認めており、これらの因子は本ペプチドワクチン療法の有効性に関連している可能性が示唆された。
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