2020 Fiscal Year Annual Research Report
Accerelation of brain metabolism outflow by the analysis of cerebrospinal fluid movement regulation system
Project/Area Number |
18K08963
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
赤井 卓也 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (50222500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八田 稔久 金沢医科大学, 医学部, 教授 (20238025)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脳脊髄液 / 流出 / 脳室 / 金粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.生体脳脊髄液動態解析のため、金粒子注入可視化法を確立した。マウス胎児脳室内にサイズの異なる金粒子(2, 40, 200 nm)を注入し、そのマウスを固定後に、透明化し、金粒子集簇部位を銀染色で可視化した。金粒子は主にマウスの前頭蓋底に集簇していることがわかった。金粒子の一部は脊柱管内にも移動していた。 2.金粒子集積部位を電子顕微鏡で観察した。その結果、脳室上衣細胞間に沈着している粒子および細胞内にphagocytosisにより取り込まれている粒子があった。脳室内脈絡叢上皮間、心臓内および肝臓にも金粒子を認めた。肝臓内には2 nmの小粒子のみ到達しており、頭蓋外への流出には粒子サイズ門が存在することが示唆された。また、注入後10分で肝臓内に金粒子を認めたことから、肝臓への金粒子の移動は短時間でおこることが判明した。 3.移動部位に痕跡を残すカダベリンを脳室内に注入し脳脊髄液の動きを追跡した。カダベリンは前頭蓋底、脳室内脈絡叢、脳室上衣、脳実質血管壁に沈着していた。よって、これらの部位に脳脊髄液が流出していくことが示唆された。 これらの結果から、脳脊髄液の主たる流出路は、これまで指摘されていたくも膜顆粒ではない可能性が示唆された。主たる流出路は、前頭蓋底から鼻腔リンパ管、脈絡叢から血管系、である可能性があり、脳脊髄液内粒子の流出には、分子サイズと分子量の篩がある可能性が示唆された。しかし、これらの実験はマウスから得た結果であり、ヒトにあてはまるか、さらに研究を要する。
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