2019 Fiscal Year Research-status Report
オキシヘモグロビンは神経活動を修飾する;脳スライスのシナプス活動と血管径の対比
Project/Area Number |
18K08976
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
石黒 雅敬 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30404586)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長峯 隆 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10231490)
成松 英智 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70295343)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | オキシヘモグロビン |
Outline of Annual Research Achievements |
くも膜下出血後のdelayed cerebral ischemia (DCI) は、患者予後の重要な決定因子であるが、その機序は明らかでない。過去には脳血管攣縮が原因と考えられてきたが、血管平滑筋拡張薬による臨床試験の失敗により、SAH後の神経活動の変化が注目されている。 本研究ではくも膜下出血後のDCIや皮質拡延性抑制(cortical spreading depression: CSD)、脳ダメージに注目して、脳スライスを用いて研究するものである。 くも膜下出血では、くも膜下腔に赤血球が出現するが、赤血球のなかでも、オキシヘモグロビンが脳ダメージの原因と考えられている。このため、本実験ではオキシヘモグロビンにターゲットを絞り、オキシヘモグロビンのラット脳スライスへの影響をパッチクランプを用いて観察する。本実験のためには、ウシヘモグロビン(Hemoglobin from bovine blood powder28231円とSigma hemoglobin 牛血液由来20037円)から亜ジチオン酸ナトリウム(1566円)を使って還元してオキシヘモグロビンを産生する。 産生されたオキシヘモグロビンは脳スライスを使った実験で使用されるが、実験での使用直前まではマイナス80度で保管される。2019年度は、オキシヘモグロビン作成のために、1)ウシヘモグロビン、2)亜ジチオン酸ナトリウムを物品として購入した。 また、亜ジチオン酸により還元されたヘモグロビンは、亜ジチオン酸をできるだけ希釈、除去する目的で透析を3回行うが、透析で使用する透析用カセット(Slide-A-Lyzer G2 Dialysis Cassettes 10K MWCO, 36396円)も購入した。 2019年度内に作成された論文は英文で書かれたために、論文校正を必要として、英文校正を外部に委託し、今後、論文提出する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験操作をするマニュプレーターの不具合による。
|
Strategy for Future Research Activity |
オキシヘモグロビンが十分に作られているため、実験は円滑に進めることができると予想される。
|
Causes of Carryover |
今回は学会発表ができなかった。 使用計画として、Windows 10に対応したデータ取得装置の購入予定である。
|