2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of multifaceted immunotherapy for glioma using inactivated viral particle
Project/Area Number |
18K08988
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松田 真秀 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30614333)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 栄一 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30510169)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 不活化ウイルス粒子 / グリオーマ / 制御性T細胞 / 免疫チェックポイント / PD-L1 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスグリオーマ細胞株GL261およびRSV-M、また人工グリオーマ幹細胞株TSにおいて、HVJ-Eを用いてPD-L1 siRNAを導入し、細胞レベルでのPD-L1発現抑制が得られることを確認した。siRNA封入HVJ-Eの投与量に応じた発現抑制効果を検討したところ、幅広い投与量で同等の抑制効果が認められ、腫瘍細胞に対する治療域が広いことが分かった。 以降の動物実験においては、腫瘍生着率が高く成長速度も速い人工グリオーマ幹細胞株TSを用いた。皮下腫瘍モデルにおいて、PD-L1 siRNA封入HVJ-Eを腫瘍内投与することにより、PD-L1発現が効果的に抑制されることを、免疫組織化学染色およびWestern blot法で確認した。同条件での皮下腫瘍モデルに対する治療実験を行ったところ、PD-L1 siRNA封入HVJ-Eを腫瘍内に3回投与することで、未治療群およびHVJ-E単独群(negative control siRNA封入)に比べて、PD-L1 siRNA封入HVJ-E治療群で有意に腫瘍体積が縮小することが明らかとなった。皮下腫瘍モデルマウスの生存期間を解析すると、PD-L1 siRNA封入HVJ-E治療群において、他の2群と比べて有意に生存期間が延長していた。治療後に腫瘍を摘出して腫瘍浸潤リンパ球の評価を行ったところ、PD-L1 siRNA封入HVJ-E治療により、CD4陽性Tリンパ球とCD8陽性Tリンパ球が増加し、一方で制御性Tリンパ球が減少していることが明らかとなった。また、HVJ-E単独治療後にも、制御性Tリンパ球の減少とCD8陽性Tリンパ球の軽度増加が認められた。 このように皮下腫瘍モデルでの解析から、HVJ-Eにより制御性Tリンパ球抑制が生じること、またPD-L1 siRNA導入により腫瘍増大抑制効果が得られることが明らかとなった。次年度は脳腫瘍モデルを用いた解析をすすめていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度に予定していた細胞実験と皮下腫瘍モデルでの実験は、複数設計したsiRNAによる標的分子発現抑制効果が十分であったこともあり、予定通りに進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度からは脳腫瘍モデルでの実験をすすめていくが、すでにモデル作成は確立していることから、研究分担者とも協力して多くの免疫学的解析手法を用いた幅広い解析を行っていく予定である。
|
Research Products
(1 results)