2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of multifaceted immunotherapy for glioma using inactivated viral particle
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18K08988
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松田 真秀 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30614333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 栄一 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30510169)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 不活化ウイルス粒子 / グリオーマ / 制御性T細胞 / 免疫チェックポイント / PD-L1 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度から継続して人工グリオーマ幹細胞株TSを用いた動物実験を行った。すでに皮下腫瘍モデルにおける免疫細胞動態は明らかにしており、マウス脳腫瘍モデルでの免疫学的解析を行った。マウス脳腫瘍モデルに対して治療分子の定位的投与を行った後に免疫組織化学染色での評価を行ったところ、HVJ-E投与とPD-L1 siRNA導入の併用により腫瘍内に浸潤するCD8陽性Tリンパ球、CD4陽性Tリンパ球、NK細胞の増加がみられることが明らかとなった。次いで、定位的治療後にマウス脳を摘出し、flow cytometry解析で脳浸潤白血球の評価を行った。その結果、HVJ-E単独群(negative control siRNA封入)に比べてPD-L1 siRNA封入HVJ-E投与群で、脳に浸潤している全白血球中のCD8陽性Tリンパ球、NK細胞が有意に増加していることが判明した。また、未治療群と比べると、HVJ-E単独群とPD-L1 siRNA封入HVJ-E投与群の両者でCD4陽性 Tリンパ球中の制御性Tリンパ球比率が有意に減少していることが示された。CD8陽性Tリンパ球の治療効果への寄与度を評価するために、CD8を除去したマウス脳腫瘍モデルを作成して実験を行った。CD8除去により、腫瘍に浸潤するCD8陽性Tリンパ球のみが消失していることを確認した。定位的治療後の生存期間の解析を行うと、HVJ-E単独群とPD-L1 siRNA封入HVJ-E投与群の両群間の生存期間の差が消失した。この結果から、HVJ-Eに加えてPD-L1 siRNA導入を行うことによる上乗せの抗腫瘍効果は、主にCD8陽性Tリンパ球によってもたらされていると示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳腫瘍モデルでの免疫学的解析結果が集積してきており、おおむね順調に経過している。これまでの成果を論文として発表することはできているものの、コロナ禍の影響で、学会等での成果発表が十分に行えておらず、次年度に行うこととなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、リンパ球系のみならず骨髄球系のflow cytometry解析を含めたさらなる免疫学的解析をすすめていく予定である。
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Causes of Carryover |
追加実験および学会での成果発表のために、補助事業期間を1年間延長したため。 追加実験用消耗品や学会参加費として使用予定である。
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Research Products
(2 results)