2018 Fiscal Year Research-status Report
メタボローム解析を用いた原発性中枢性リンパ腫における新規バイオマーカーの探索
Project/Area Number |
18K08995
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
水川 克 神戸大学, 医学部附属病院, 非常勤講師 (80403260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠山 隆司 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (10379399)
甲村 英二 神戸大学, 医学研究科, 教授 (30225388)
田中 一寛 神戸大学, 医学研究科, 助教 (70467661)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 原発性中枢神経リンパ腫 / メタボローム解析 / myo-inositol / MYD88 |
Outline of Annual Research Achievements |
原発性中枢神経リンパ腫(PCNSL)は予後不良な原発性脳腫瘍の1つで、生存期間中央値 は約3年である。癌細胞ではWarburg現象という代謝リモデリングが生じており、近年癌代謝 関連酵素を標的とした新たな治療法が考案されている。これまでの染色体遺伝子解析では、Myc, Bcl2, Bcl6などの染色体転座やMYD88, CD79Bなどの遺伝子変異により、NFkB経路やSTAT3経路、PI3K経路が亢進していることが明らかとなってきたが、PCNSLの代謝についての研究はほとんど行われていない。今回、申請者らは、PCNSLの治療経過における代謝変化を、MRスペクトロスコピー(MRS)や質量分析器を用いて解析し、染色体異常、遺伝子変異、サブタイプや予後との関連性を解析し、新たな治療ターゲットとなりうる代謝経路の同定を目的に研究を計画した。 本年度はPCNSL患者の術前MRS評価を行い、健側の正常脳や鑑別の対象となる悪性グリオーマと比べてmyo-inositolの値が著明に低いことを見出した。今後は症例数を増やすと共に、得られた標本を用いて詳細なメタボローム解析を行い、染色体異常(myc, Bcl6)、遺伝子異常(MYD88, CD79B, p53, EZH2)、subtype (GCB type, ABC type) などと関連する代謝産物や代謝酵素、遺伝子やシグナル経路について検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PCNSL組織標本のメタボローム解析に時間を要することや、in vitro実験のための永久継代培養細胞の作製が困難であることが問題である。
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Strategy for Future Research Activity |
得られたPCNSL組織標本を用いて詳細なメタボローム解析を行い、染色体異常(myc, Bcl6)、遺伝子異常(MYD88, CD79B, p53, EZH2)、subtype (GCB type, ABC type) などと関連する代謝産物や代謝酵素、遺伝子やシグナル経路につい検討を行う予定である。また化学療法(R-MPV療法)前後での変化についても解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
予定していたメタボローム解析が機械の都合で順次出来ていないことや、発注した薬品や実験器材の納入が遅れたため。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] MicroRNA regulating stanniocalcin-1 is a metastasis and dissemination promoting factor in glioblastoma.2019
Author(s)
Sakata J, Sasayama T, Tanaka K, Nagashima H, Nakada M, Tanaka H, Hashimoto N, Kagawa N, Kinoshita M, Nakamizo S, Maeyama M, Nishihara M, Hosoda K, Kohmura E.
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Journal Title
J Neurooncol.
Volume: 142(2)
Pages: 241-251
DOI
Peer Reviewed
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