2018 Fiscal Year Research-status Report
頚動脈内膜剥離術を用いた脳循環不全性認知症とアルツハイマー病の関連の解明
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18K09002
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
小笠原 邦昭 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00305989)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アミロイド / 頚動脈狭窄 / 血行再建 / 脳循環 |
Outline of Annual Research Achievements |
一側性内頸動脈閉塞狭窄性病変による同側大脳半球の脳循環低下症例5例に対し18F-Florbetapir PETを施行した。5例とも脳循環低下側大脳半球と対側大脳半球とはRI集積の程度は同等であった。血行再建術後には5例とも病側大脳半球脳循環は改善していた。術後に18F-Florbetapir PETを施行しえた4例中、2例では手術側大脳半球のRI集積は対側に比し、明らかに低下していた。また、神経心理学的検査では、手術側大脳半球のRI集積が低下していた2例では認知機能の改善を認めたが、RI集積の術後変化がなかった残り2例では、認知機能に変化がなかった。 現時点の結論としては、「慢性脳循環状態では、アミロイドの集積が促進される」は証明できなかったが、「頚動脈狭窄を除去することによる脳循環不全の改善により、アミロイドの排出が促され、認知機能が改善する」ことが強く示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例数も予想通りであり、結果も仮説を証明するものとなっている。現在、preliminaryな結果、「頚動脈狭窄を除去することによる脳循環不全の改善により、アミロイドの排出が促される」ことのみを論文化している最中である。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに症例を増やし、術前後に施行した神経心理検査(WAIS-R, WMS, Rey test)から術後認知機能改善の有無を判定する。アミロイドPETの術前後のデータからアミロイドの排出の程度を定量化する。これら2つを比較し、、「頚動脈狭窄を除去することによる脳循環不全の改善により、アミロイドの排出が促されると認知機能が改善される」という仮説を証明する。
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Causes of Carryover |
RIトレーサの値段が交渉の上、当初より少し安価になったため。残額については、引き続きアミロイドトレーサの購入費用に充てる。
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Research Products
(14 results)