2019 Fiscal Year Research-status Report
悪性脳腫瘍におけるPDT効果予測ならびに悪性度及び分子生物学的特性予測マップ作成
Project/Area Number |
18K09011
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
池田 直廉 大阪医科大学, 医学部, 講師 (50434775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 信司 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (20340549)
古瀬 元雅 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (70340560)
野々口 直助 大阪医科大学, 医学部, 講師 (70388263)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 5-amino levulinic acid / 光線力学的診断 / 光線力学的治療 / 悪性脳腫瘍 / 外部励起光減 / 定位脳生検 / 術中CT |
Outline of Annual Research Achievements |
術中CT撮像に対応した生検システム(Navigas biopsy; Medtronic 社)が利用可能となったため、定位的脳腫瘍生検術の際、術前までに術前画像から計画した生検標的および生検経路に沿って生検プローベを挿入直後に、本学手術室内に設置した術中CTを撮像し、画像データをナビゲーションシステムに取り込み、予定経路通り予定生検標的にプローベ先端が位置しているかどうかの確認を行った。その結果設定した生検標的にはほとんどの誤差なく挿入されていることが確認されたが、標的に至るまでの生検プローベ挿入経路は予定生検経路とある程度のズレが生じていることが判明した。本研究では予定された1つの生検経路内で数か所サンプリングを行うため、組織サンプリング部位と計画多種画像上の位置を完全に合致させるために、プローベ挿入後撮像した術中CT画像をワークステーションに取り込み、術前多種画像所見と位置合わせを行い、実際の生検部位での画像パラメーター取得を行なうように改良した。本手法を用いることで、実際の生検部位に合致した正確な画像パラメータ取得が可能となっただけでなく、本手法から波及した術中CT併用による副次的な効果として、術中出血など合併症増悪の回避だけでなく脳腫瘍生検術の本来の目的である的確な組織採取を担保することに寄与すると思われたため、次年度以降症例を積み重ねて検証を継続する。 さらに、悪性脳腫瘍に対する来る5-ALAを用いた定位的光線力学的に治療の安全・的確な治療実現むけて、実臨床画像を用いた励起光拡散シミュレーションシステムの開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
定位的脳腫瘍生検術施行症例においては主観的蛍光所見と術前多種画像パラメーターとの相関の解析を行なうことができた。さらに、昨年度までに脳腫瘍生検術でのδ-アミノレブリン酸(5-aminolevulinic acid;以下5-ALA)を用いた光線力学的診断における外部光源併用による標的組織診断の感度および陰性的中率の改善を示してきたが、引き続き生検術において同様の手法を用いて症例の集積を続け、その有用性は確固たるものであることが立証されつつある。さらに術中CTを併用することでより正確なサンプリング位置でのパラメータ取得が可能となったためこれを用いた解析を進めている。 しかし、当初の研究計画に対象としていた開頭腫瘍摘出術症例に対する腫瘍摘出に先立った定位的腫瘍サンプリングについては、予想に反して対象症例からの同意を得ることが難しく、予定の症例数の確保に難渋している。
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Strategy for Future Research Activity |
脳腫瘍定位的生検術における術中CTを併用したδ-アミノレブリン酸(5-aminolevulinic acid;以下5-ALA)による光線力学的診断を次年度前半までに継続して症例の集積を継続し、その生検術そのものにおける有用性の確認、多種画像パラメーター取得による5-ALA蛍光予測マップの作製を行う。 開頭腫瘍摘出術施行症例でのデータ集積が難しいことから、必ずしも定位的サンプリングにこだわらず、術前に組織採取部位を設定したうえでナビゲーションガイド下に、開頭後早期に腫瘍摘出や髄液排出に伴うシフトの影響を最小限とした状態でのサンプリングを行うことで解析サンプル数を確保する。
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Causes of Carryover |
開頭腫瘍摘出術予定症例においてでは保険適応外となる脳腫瘍生検プローベおよび生検システム購入費用を計上していたが、対象症例での同意を得ることが難しかったため使用しなかったことなどにより次年度使用額が生じた。 本研究で取得したデータ解析には、これまでにすでに所有している卓上コンピューターで代用してきたが、動作環境の老朽化および取得データ量増加に伴い次年度に新たにコンピューター、解析ソフト、データー保存用ハードディスクの購入に研究費を当て、データ解析を継続する予定。 今年度までに論文発表が少数にとどまったため計上した英文校正料、投稿料を使用しなかったが、次年度に論文発表を集中させ繰り越して利用する予定。
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