2019 Fiscal Year Research-status Report
Inflammasomeの評価による筋痛の病態解明
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18K09015
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
綿貫 宗則 東北大学, 大学病院, 講師 (90451575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 嘉廣 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (90436139)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | inflammasome / uric acid / Electrical stimulation / Mechanical hyperalgesia / muscle pain |
Outline of Annual Research Achievements |
筋痛は極めて頻度の高い症状だが、その病態は未解明で、有効な治療法も確立されていない。本研究は、過剰収縮した筋組織における、尿酸値の上昇・inflammasomeの活性化・pro-inflammatorycytokineの上昇が、筋痛の発生・増強に関連するかを明らかにするものである。昨年度までの研究でマウス筋痛モデルにおいて、筋の圧痛閾値には尿酸濃度、NLRP3濃度、Caspase-1活性、IL-1β濃度の上昇が関連していることが示唆された。さらに電気刺激側の筋組織では、マクロファージの数が有意に増加しており、NLRP3、Caspase-1、IL-1βは、マクロファージで発現していた。さらに各種inhibitor(尿酸生成阻害剤(allopurinol、febuxostat)、inflammasomeのアンタゴニスト(BBG))を投与することで圧痛閾値の上昇が確認された。 そこで、本年度はIL-1ノックアウトマウスを用いて筋痛モデルを作成し、IL-1と筋痛発生の関連を評価した。IL-1ノックアウトマウスの片側の下腿三頭筋に針電極を刺入し、電気刺激により過剰な筋収縮を起こした。対側の下腿三頭筋には針電極の刺入のみを行い電気刺激はせず、内部コントロールとした。このモデルに対し、Randall Selitto法により、両側下腿三頭筋の圧痛閾値を測定したところ、BALB/cマウスでみられたような、電気刺激側での有意な圧痛閾値の低下は見られなかった。このことから、圧痛閾値の低下(筋痛)の発生にはIL-1が大きく関与していることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、今年度はヒト筋サンプルを用いた評価を予定していたが、倫理委員会の承認を得ることに難航しており、動物での評価の段階にとどまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ヒト筋サンプルによる評価を予定している。ヒトの上腕二頭筋に運動負荷を加え、その前後のサンプルを、微小還流針および筋生検により採取し、尿酸濃度、NLRP3、Caspase-1、IL-1βの評価を行う予定である。現在、倫理委員会への申請を進めている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じるのは予定通りである。次年度はヒト筋サンプルを用いた評価を行う予定であり、微小還流や筋生検に用いる検査器具や濃度測定の実験試薬、また研究成果の学会発表のための旅費、論文化に伴う印刷費、複写費、通信費などに用いる予定である。
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