2018 Fiscal Year Research-status Report
Differentiation mechanism of foreign body giant cells
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18K09017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松原 全宏 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40361498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 慶太 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50759173)
宮本 健史 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (70383768)
松本 卓巳 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70436468)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 異物巨細胞 / 破骨細胞 / マウス腹腔内異物投与モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
破骨細胞分化に必須なモチーフを有する細胞膜タンパク分子に着目した研究を開始した。細胞外からのシグナルを細胞内に伝えるのに重要な役割を果たしている。マクロファージ融合に必要との報告が既になされているが、許可を得た動物実験計画に基づき、異物巨細胞形成においても機能解析を行った。 in vitro の実験として、M-CSF 存在下で増やしたマウス骨髄前駆細胞を GM-CSF, IL-4 存在下で培養し、異物巨細胞を誘導できることを確認した。核二重染色であるMay-Giemsa染色を行い、異物巨細胞を同定する手技を安定させた。 続いて上述の破骨細胞形成に必須な膜タンパクを欠損させたマウスを用いた検討を行った。結果、このマウスでは、異物巨細胞形成が抑制される事を確認した。現在、この膜タンパク質に会合する分子について、さらにノックアウトマウスを作成し、骨形態および異物反応の違いの検討を進めている。 また、興味深いことに関節リウマチ治療薬であるCTLA4-Igがこの膜タンパクと協調し、破骨細胞形成を抑制する事がわかった。この知見に関しては、学会研究会発表を行った。 in vivo の実験としては、マウス腹腔内異物投与モデルを用いた。前述のノックアウトマウスでは巨細胞形成がin vitro同様に抑制される事を組織学的検討により確認した。現在新たな手法としてスポンジ内の細胞集団から、異物巨細胞を簡便により分ける細胞培養法の確立に向けて、検討を進めている。 以上は、研究協力者、整形外科大学院生 岡田寛之を中心として、精力的に研究を進めており、さらに継続して成果が得られるものと期待している。特に、異物巨細胞の分化メカニズムの同定により、生体親和性をさらに高めたインプラント開発に繋がる糸口が見つかるものと期待が高まる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画したH30に達成すべき課題を概ね達成するとともに、H31に予定していた課題にも踏み込んで実施できており、概ね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに作成したノックアウトマウスについて、骨の表現型解析、異物モデルの解析を進め、まとめていく。 当初計画に則り、カルシウム濃度変動など、新たな機軸を見据えた研究も同時に進めていく。 研究協力者、整形外科大学院生 岡田寛之を中心として、今後も研究に邁進する所存である。
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Causes of Carryover |
(理由)順調に研究が進んでいるため、必要以上に経費をかけずに済んだ (使用計画)in vivoの解析など、次年度以降の経費のかさむ実験に使用する計画である
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Research Products
(2 results)