2018 Fiscal Year Research-status Report
iPS細胞作製技術を用いた人工骨肉腫幹細胞の樹立と機能解明
Project/Area Number |
18K09031
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
河本 旭哉 神戸大学, 医学研究科, 特命講師 (30420558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 仁美 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40437489)
深瀬 直政 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (60579324) [Withdrawn]
秋末 敏宏 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (90379363)
青井 貴之 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 教授 (00546997)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨肉腫 / 肉腫幹細胞 / iPS / stemness |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,骨肉腫の基礎研究において広く用いられている骨肉腫細胞株を用いて,iPS細胞作製技術による人工骨肉腫幹細胞の作製を行い,同細胞の幹細胞特性,腫瘍増生,治療抵抗性について,下記のごとく,形態学的,組織学的,分子生物学的に評価することにある. これまでにヒト骨肉腫由来細胞株(MG63,KHOS/NP,NOS-1,SaOS-2)にレトロウイルスベクターを用いて,OCT3/4,SOX2,KLF4の3つの因子またはコントロールとしてGFPのみ,を導入し,人工骨肉腫幹細胞の作製を行ったところ,MG63で安定した導入効率が得られたため,以降の研究をMG63で行うこととした.OCT3/4,SOX2,KLF4の3つの因子を導入したMG63(MG-OSK)とコントロールとしてGFPのみ(MG-GFP)を作製し検討を行ったところ,MG-OSK細胞ではMG-GFPと比較して,幹細胞関連マーカーの上昇,細胞増殖能の低下,細胞遊走能の上昇,スフェア形成能の上昇など,幹細胞の特性を示した.薬剤耐性能の評価としてドキソルビシンを用いた検討ではMG-OSK細胞で高抵抗性を有していた.また骨肉腫の特徴である骨形成能をAlizarin Red S染色およびALP染色で評価したところ,MG-OSK細胞では高い染色性を示し,骨形成能の増強が示唆された. 以上より,ヒト骨肉腫細胞株にiPS細胞作製技術と同様にOCT3/4,SOX2,KLF4の3つの因子を導入することで幹細胞としての特性を獲得するとともに,骨肉腫本来の悪性度および骨形成能の増強が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究初年度においてiPS細胞作製技術を応用することで目的としている骨肉腫幹細胞の特性を有していると思われる細胞を得ることが出来たことから,本研究の進捗はおおむね順調と考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の本研究の推進にあたっては,初年度に得られた遺伝子導入をさらに確立し,安定した導入を行うこと,またMG63以外の骨肉腫細胞でも遺伝子導入を確立したいと考える.導入細胞の評価として,これまで行ってきた幹細胞関連因子の発現,細胞増殖能・遊走能・スフェア形成能・薬剤耐性能とともに細胞周期・アポトーシス関連因子などがん悪性度との関連についても評価を進めたい.さらにin vivoでの評価を行うため,導入細胞を移植したモデル動物の作製・確立も並行して進めて行く.
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Causes of Carryover |
本年度は研究計画の中で主にin vitroの実験が中心となったため,当初計画にあった動物を使用するin vivoの実験系は行わなかった.そのため計画よりも使用額が少なかった.次年度はこれまで行ってきたin vitro実験系とともにin vivo実験を並行して進める予定であり,計画通りの使用額となる予定である.
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Research Products
(3 results)