2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K09037
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山元 拓哉 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (40381157)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣津 匡隆 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (00444901)
瀬戸口 啓夫 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (40423727)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ミクログリア / 神経障害性疼痛 / TGF-β |
Outline of Annual Research Achievements |
神経障害性疼痛における疼痛発生メカニズムの解析を行っている。中枢神経系のミクログリアは細胞障害性因子や神経栄養因子の産生放出を行っている。末梢神経を損傷させた神経障害性疼痛モデルや神経障害病態モデルの脊髄において、ミクログリアは細胞分裂と細胞移動により、局所の 細胞数を数倍に増加させる。また、障害部のミクログリアは細胞体を肥大化させ、活性化し機能する。まず、中枢神経系のミクログリアとニューロンの異常興奮 ループの形成が神経障害性疼痛の原因のひとつであることが報告されているので、ミクログリア増殖のメカニズム解析を行った。その結果、血清非存在下でミクログリア培養細胞を培養しつつ、様々な因子を加えることでミクログリアの増殖・移動に関与する分子のスクリーニングを行った。その結果、TGF-betaはミクログリアの増殖亢進することを発見した。神経障害性疼痛を抑制するために、シグナル阻害剤によるミクログリア増殖抑制機構の解析を行った。TGF-beta阻害剤 (Galunisertib)によるミクログリア増殖抑制と慢性疼痛の研究を行った結果、TGF-beta阻害剤 (Galunisertib)はミクログリアの細胞増殖能を亢進し、アポトーシスを抑制することを見出した。今後はさらなる機能解析を行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々はすでに神経障害性疼痛に関与するミクログリアの新たな増殖分子メカニズムを明らかにした。さらに、薬剤によるミクログリア増殖抑制治療の可能性を示すデータを示した。これらはすでに査読のある英文雑誌に掲載されている。(Brain Sci. 2019 Dec 30;10(1). pii: E20. doi: 10.3390/brainsci10010020.TGF-β Promotes the Proliferation of Microglia In Vitro. 研究期間の中途で成果を報告できており、順調であると判断する。
|
Strategy for Future Research Activity |
マウス神経障害性疼痛モデルを使用してin vivoでの薬剤の効果を検討する。さらに腸内細菌叢の影響やシグナル伝達のメカニズムについて分子生物学的手法を用いてさらに解析を行う。さらに腸内細菌叢の変化と脳・脊髄における代謝物の変化をメタボロミクスにて検討することで腸内細菌叢と中枢神経のクロストークを明らかとする。
|
Causes of Carryover |
実験の方向性と速度が変化したので、必要購入物品が次年度に繰り越されました。
|