2020 Fiscal Year Annual Research Report
comprehensive study for circadian clock and arthritis
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18K09040
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
藤原 浩芳 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (90381962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 直輝 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60816578)
小田 良 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80516469)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 体内時計 / 関節炎 / 時計遺伝子 / 変形性関節症 |
Outline of Annual Research Achievements |
体内時計は時計遺伝子と呼ばれる複数の遺伝子が互いに協調しながら遺伝子発現の概日リズムを刻むシステムである。これまでに体内時計が時を刻む以外にアウトプットとして、様々な遺伝子の発現を調節し、さまざまな生理現象を制御していることを明らかにしてきた。 本年度では関節炎の一つである変形性関節症の進展に体内時計が関与することを報告した。その中で、変形性関節症や加齢により時計遺伝子の一つであるCry2の発現が減少していること、Cry2の欠損が変形性関節症の進展に関与することを明らかにした。このような知見を踏まえて、炎症を誘発した中で時計遺伝子の発現量の調節をすることで炎症を抑制できるか検討した。培養軟骨細胞に対して、炎症性サイトカインIL-6を投与して炎症を誘発した。CRYタンパクを安定化させる小分子化合物であるKL001を様々な濃度で投与して炎症の抑制に関与するかを遺伝子発現解析を行い確認した。結果として、IL-6の投与によって、炎症に関与する遺伝子や軟骨破壊に関与する遺伝子発現は上昇した。その一方、KL001の投与によって、軟骨破壊に関与する遺伝子群の遺伝子発現が減少した。これらのことからCRYタンパクの増加が炎症を抑制することを明らかにした。この結果は体内時計と関節炎の関連を明らかにしただけでなく、遺伝子発現の調節に小分子化合物を用いたこの実験は治療への応用という点で優れている研究であると考える。
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Research Products
(2 results)