2019 Fiscal Year Research-status Report
Therapeutic strategy for osteoarthritis by targeting neuropeptides.
Project/Area Number |
18K09066
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中佐 智幸 広島大学, 病院(医), 講師 (60467769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 伸生 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (30294383)
味八木 茂 広島大学, 病院(医), 講師 (10392490)
石川 正和 広島大学, 医系科学研究科(医), 寄附講座准教授 (60372158)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 変形性関節症 / 神経ペプチド / microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、変形性関節症(OA)において、軟骨下骨の骨硬化に神経ペプチドが関与し、これを標的とすることでOA進行を抑制できることを示す。これまで、マウスを用いてOA進行に伴い、軟骨下骨、半月板、靭帯に神経ペプチドであるcalcitonin gene-ralated peptide (CGRP)、vasoactive intestinal peptide (VIP)、substance Pの発現が増加することを示した。また、OAモデルマウス(DMMマウス)を作製し、substance P受容体作動薬、VIP受容体拮抗薬を投与したところ、OAの進行が抑制されることがわかった。CGRPについては、老化促進マウスであるSAMP8に1週間毎にCGRP受容体拮抗薬(Olcegepant)を腹腔内投与したところ、肝障害をきたしたため中止した。今後、CGRP受容体拮抗薬の薬剤を変更してSAMP8へ投与する予定である。SAMP8にsubstance P受容体作動薬を1週間毎に投与したところ、PBSを投与した群と比較し、有意に軟骨下骨の骨硬化抑制効果を認めた。DMMマウスに関しては、神経ペプチドを標的とした治療により、OA進行が抑制できることがわかった。今後は、SAMP8を中心として神経ペプチドを標的とした治療効果を検討していく。また、早期OAを診断するためのbiomarkerの研究も行った。DMMマウスとshamマウスで、血清を採取し、microRNAのRNAシークエンスを行った結果、いくつかの神経の軸索伸長に関わるmicroRNAを同定した。今後は、これらのmicroRNAの発現解析を詳細に行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
変形性関節症において、マウスモデルを用いて神経ペプチドを標的とした治療効果の検討が概ねできている。老化促進マウスを用いた治療効果の検討を今後進める予定である。また、変形性関節症の発症・進行により血液中に発現パターンが変動するmicroRNAの網羅的解析も進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
老化促進マウスであるSAMP8に神経ペプチド受容体の作動薬あるいは拮抗薬を投与し、治療効果を検討する。投与方法、評価法はすでに確立しているため、実験自体は推進していくものと思われる。また、変形性関節症のバイオマーカーの探索は、すでに網羅的探索を終えており、絞り込んだmicroRNAの更なる発現パターン、由来、機能を実験していく予定である。
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Causes of Carryover |
血中に含まれるmicroRNAを網羅的に探索を行い、変形性関節症のバイオマーカーとなり得るものを絞り込んで発現解析を行う予定であるが、RNAシーエンスを用いて網羅的解析を行った後の絞り込みに時間を要しており、PCR試薬を購入するための予算を次年度に繰り越すこととした。今後は、繰り越した予算で試薬を購入し、発現解析を進める予定である。
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