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2018 Fiscal Year Research-status Report

細菌の細胞間情報伝達機構を阻害する薬剤による人工関節感染の治療に関する探索研究

Research Project

Project/Area Number 18K09068
Research InstitutionSaga University

Principal Investigator

宮本 比呂志  佐賀大学, 医学部, 教授 (40229894)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywordsバイオフィルム / 人工関節 / 感染 / クオラムセンシング
Outline of Annual Research Achievements

人工関節感染の原因は,インプラント表面に細菌バイオフィルムが形成されることにある.バイオフィルム形成はインプラント表面への菌の付着が端緒となるので,これを抑制することで人工関節感染を防止できると考えられる.細菌バイオフィルムの菌体外マトリクスは多糖体や細胞外DNA,蛋白質から成るため,これらを分解する薬剤がバイオフィルム阻害剤としてあげられる。これらの中からRNA-inhibiting peptide(RIP), ノルゲスチメート(NGM),ミリセチンをピックアップしてポリスチレン上のMRSAバイオフィルム形成への影響を検討した。その結果、RIPはほとんど効果なく、むしろ薬剤添加によりバイオフィルム形成が促進される場合もあった。NGMはMRSAの株によってバイオフィルム形成が抑制される場合と,促進される場合があることが明らかになった。ミリセチンは濃度依存的にMRSA 3株全てのバイオフィルム形成を抑制した。そこで、ミリセチンが有望だと考え,人工関節材料のひとつであるTi合金の表面で形成されるMRSAバイオフィルムに対する阻害効果を調べた。その結果、Ti合金表面のMRSAバイオフィルム形成がミリセチンで抑制されることが明らかになった。ミリセチンが人工関節表面のMRSA感染を予防または治療できる可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

有効なバイオフィルム阻害剤のスクリーニング実験に時間を要した。

Strategy for Future Research Activity

ミリセチンがどのような機序で、MRSAバイオフィルム形成を抑制しているのか明らかにするとともに、生体内でも効果を発揮するのかを動物実験等で確認する必要がある。また、ミリセチン誘導体に同様のバイオフィルム形成抑制作用があるのか調べて、有効な誘導体が見つかった場合は、新薬の開発につながる可能性もある。

Causes of Carryover

有効なバイオフィルム阻害薬を探索するためのペプチドや薬剤の合成と調達に遅れが生じたため、スクリーニング実験の開始と実施が遅れている状況にある。多種類で大量の薬剤のスクリーニングを目的として薬剤保存用冷蔵庫を準備するなどして、迅速なスクリーニング検査を実施したい。

URL: 

Published: 2019-12-27  

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