2018 Fiscal Year Research-status Report
超音波誘起電磁応答を利用した新規骨粗鬆症診断装置の開発
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18K09092
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安藤 晃 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (90810581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 嘉廣 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (90436139)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨粗鬆症 / 超音波誘起電磁波 / 圧電効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
正常ラット大腿骨を採取し、周波数及びアンテナの調整を行い超音波誘起電磁波(ASEM波)の最適な検出の設定を行った。ラット大腿骨顆上部で最も強いASEM信号が得られ、測定部位とした。骨粗鬆症モデル(卵巣摘出ラット、膝不動化ラット)を使用し、ASEM波の計測、マイクロCTによる皮質骨密度、海綿骨密度、皮質骨の厚さの測定、コラーゲンの架橋異常とされる終末糖化産物(AGEs)としてペントシジンの定量(卵巣摘出ラット)を行った。コントロールとしては卵巣摘出モデルではシャム手術を行ったラット、膝不動化モデルでは健側の大腿骨を使用した。骨粗鬆症モデルでは皮質骨密度、海綿骨密度、皮質骨の厚さはいずれも低下し骨粗鬆症モデルとして適切であることが確認された。また卵巣摘出ラットではコントロールと比較しペントシジンが増加していた。ASEM信号はコントロールと比較しいずれの骨粗鬆症モデルでも低下しており、骨粗鬆症を反映している可能性が示された。ASEM信号のパルス遅延時間の解析からASEM信号は皮質骨で生じており、特にASEM信号の強い大腿骨顆上部ではミネラル成分の濃度が低く、コラーゲンの濃度が高い。このためASEM信号はコラーゲン由来の情報をとらえ、コラーゲンの圧電効果で生じていることが示唆された。また骨粗鬆症モデルではペントシジンが増加し、コラーゲンの物性変化が生じていると考えられることから、ASEM波はコラーゲンの量や物性情報を可視化している可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ASEM波の適切な設定を行い、ラット正常大腿骨及び骨粗鬆症モデル大腿骨での計測が可能であった。ASEM法を使用した骨の計測は初めての試みであり、検出される信号強度を解釈する基準がない。また観察される信号が何に由来するものかの判断が難しい。これまでの研究で骨粗鬆症に伴う骨の変化がASEM信号に影響を与えることが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
ASEM法により検出される信号強度や観察される信号が何に由来するものかの判断が難しい。今後計測数を増やしASEM信号の標準を設定していく。また皮質骨組織切片を作成し、ASEM信号に関わる構造的・質的変化を評価する。さらに遺伝子・タンパク解析を行い、ASEM波に影響を与える因子を検討する。
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Causes of Carryover |
先行研究がなく骨より得られるASEM信号の評価・設定を優先して行った。そのため組織・遺伝子・タンパク解析等を次年度に行う事とした。次年度は光学薬品、試薬、標本作成に経費を要する予定である。
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Research Products
(1 results)