2019 Fiscal Year Research-status Report
関節液由来間葉系幹細胞は滑膜由来幹細胞移植に代替するか
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18K09097
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
神野 哲也 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 非常勤講師 (90343152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮武 和正 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (00777435)
辻 邦和 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座准教授 (20323694)
古賀 英之 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (30594080)
片桐 洋樹 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (50795028)
宗田 大 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (50190864)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 滑膜幹細胞 / 関節液 / 再生治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在行われている変形性関節症における再生医療の問題点の一つに細胞採取の煩雑さと必要培養細胞数の評価が十分に行われていないことが挙げられる。今回、変形性膝関節症のラットモデルを作成し、関節切開を行わずに関節穿刺によって得られたヒト関節液由来の間葉系幹細胞(synovial fluid derived mesenchymalstem cells: SF-MSC)を種々の濃度でラット関節内に投与する実験系を構築する。その後関節液由来間葉系幹細胞の軟骨変性予防効果と疼痛抑制効果を滑膜由来間葉系幹細胞(synoviumderived mesenchymal stem cells: Syv-MSC)と比較検討することを目的とする。 人工膝関節置換術患者から得られた、同一患者由来の滑膜、関節液由来細胞を比較した。SF-MSCについてSyn-MSCと比較し増殖能・分化能をin vitroで検証した。passage10までの増殖能と細胞形態変化を見ると関節液由来の方が滑膜に比べて増殖能が低かったが、移植に必要と考えられる2000万の細胞を確保することは可能であった。また、細胞形態を確認したところ継代を繰り返してもその形態に問題はなかった。さらに、多分化能の解析(軟骨、石灰化、脂肪)を行ったところ双方とも3系統への分化を認めており、間葉系幹細胞の特徴を有していた。そこで、ラット軟骨欠損モデルモデルを作成しそれぞれの細胞を投与するした。今後ラット膝関節を採取し、in vivoモデルを用いて軟骨再生能、軟骨変性、疼痛予防効果を検討する予定である。また、それぞれの細胞の表面抗原解析も併せて行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SF-MSCについてSyn-MSCと比較し増殖能・分化能をin vitroで検証している。また、細胞形態や多分化能の解析(軟骨、石灰化、脂肪)を行い、間葉系幹細胞の特徴を有していることも分かった。現在ラット軟骨欠損モデルに細胞を投与が終了し、解析を行う段階の為、概ね順調である
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Strategy for Future Research Activity |
In vitroでは関節液由来の幹細胞も滑膜由来の幹細胞と同様に増殖能と多分化能を有することがわかった。研究計画にあるように、今後は表面抗原の解析とin vivoモデルの解析を予定している。
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Causes of Carryover |
組織学的解析と表面抗原解析が当該年度に終了できず、結果として次年度に繰り越しとなったことで差額が生じている。
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