2019 Fiscal Year Research-status Report
iPS細胞誘導未分化Schwann細胞による新規末梢神経再生医療に関する研究
Project/Area Number |
18K09101
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
平川 明弘 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (50422720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 真吾 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (30456511)
秋山 治彦 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60402830)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 末梢神経損傷 / 未分化Schwann 細胞 / PI3K/Aktシグナル / Wntシグナル |
Outline of Annual Research Achievements |
Schwann細胞の脱分化時のシグナル経路や未分化Schwann 細胞の遺伝子発現パターンを明らかにすべく、昨年度に引き続いて坐骨神経損傷モデルマウスを作製、損傷部末梢側の神経組織からmRNA を抽出しRNAシークエンスを行った。 遺伝子発現を健常神経組織と比較検討し、KEGG pathway解析を行った結果、外傷後シュワン細胞の脱分化の過程でPI3K/Aktシグナル、Wntシグナル活性が優位に低下することを同定した。また、脱分化の過程で既知の転写因子(cJun等)よりも早期かつ優位に上昇する転写因子群(cFos, Egr1, Runx2, Sox4, Atf3等)を同定した。 そこで末梢神経損傷時のシュワン細胞の脱分化におけるPI3K/Aktシグナル、Wntシグナルの関与を解析するため、シュワン細胞特異的遺伝子改変マウスSox10-CreERT2を導入した。PI3K/AktシグナルおよびWntシグナルのgain of function、loss of function解析を行うため、Pten flox/flox、β-catenin ex3 flox、 β-catenin ex2-6 floxを導入、さらにRosa26-stop-Ptenを作製している。 また、脱分化の過程で早期かつ優位に上昇する転写因子を同定するため、坐骨神経損傷後10時間でmRNAを抽出し、リアルタイムPCRで確認したところ、Egr1, cFosが超早期に発現上昇することを明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
損傷部の神経組織において、脱分化時のシグナル経路および未分化Schwann 細胞の形質維持に必須の遺伝子(マスター転写因子)の同定に時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
CreERTシステムを利用して、シュワン細胞特異的にPI3K/Aktシグナル、Wntシグナルを亢進または遮断した後、坐骨神経損傷モデルを作製することで、シュワン細胞の脱分化、軸索再生能、ミエリン再形成能、神経回復機能を評価する。 またEgr1, cFosの強制発現ベクターを作製し、マウス坐骨神経由来シュワン細胞に導入し、これら遺伝子が脱分化プログラムの最上流遺伝子であることを確認する予定である。
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