2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K09105
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
林 申也 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (20437487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 知之 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (50546588)
橋本 慎吾 神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (20457089)
高山 孝治 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (80546490)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | EPA / 変形性関節症 / 軟骨 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では炎症の制御という観点からEPAの軟骨基質分解酵素を調節する機序の解明を変形性関節症モデルマウスを用いて行うことであり、今後EPAを変形性関節症の治療薬として 実臨床レベルに到達させるために非常に有意義なことであると考えている。そこで変形性関節症患者の関節に対し、EPA (Eicosapentaenoic acid)を投与することにより軟骨変性進行を防止すること、ならびに軟骨変性進行抑制の機序を炎症の制御という観点から解明し実薬につなげることが目的である。本年度の研究進捗状況は、C57/BL6Jマウスに変形性関節症モデルを作成しEPA含有ゼラチンハイドロゲルを膝関節内に投与するとコントロールゲル群及びEPA単回注射群に比較して術後8週の時点でサフラニンO染色で有意に関節症性変化の抑制がみられた。HE染色で滑膜組織における炎症性変化も抑制されていた。免疫組織染色でMMP-3,MMP-13の発現は術後8週の段階でEPA含有ゼラチンハイドロゲル群でコントロールゲル群及びEPA単回注射群に比較し有意に発現が低下した。さらにマクロファージマーカーであるF4/80染色でやはりEPA含有ゼラチンハイドロゲル群でコントロールゲル群及びEPA単回注射群に比較し術後8週の段階で有意に発現が低下した。これらのことよりEPA含有ゼラチンハイドロゲルを変形性関節症モデルマウスに投与するとでコントロールゲル群及びEPA単回注射群に比較し有意に炎症の抑制を介し関節症の進行を抑制する働きがあることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vivoの研究がsmoothに進行しており概ね初期の予定通り推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後さらなる機序解明のために人工膝関節置換術時に同意のあった患者から軟骨組織を採取し軟骨細胞を単利培養、そのうえでIL-1 beta、及びEPAを投与しIKK等炎症に関与するマーカーさらにMMP-13の発現等を検出し、発現が抑制されているかを調査する予定である。さらにEPAの経口投与も行い将来的に変形性関節症の経口治療薬として成立するかを調査する。
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