2018 Fiscal Year Research-status Report
morphological analysis of hip dysplasia focusing on pelvic deformity
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18K09109
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤井 政徳 九州大学, 大学病院, 助教 (00805351)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 股関節形成不全 / 寛骨臼形成不全 / 骨盤形態 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は主に、本研究課題の4つのテーマの一つである、姿勢に伴う矢状面骨盤アライメントの変化が寛骨臼の開口方向・骨頭被覆といった股関節形態や股関節応力に与える影響について、CTを用いた三次元的骨形態学的解析、有限要素法を用いた生体力学的解析を行なった 。骨形態については、股関節形成不全患者65例を対象に、臥位/立位骨盤正面X線と、骨盤CTデータを用いて、2D-3Dマッチングを行いCT上で患者固有の骨盤傾斜を再現した上で、3次元的な骨形態評価を行なった。この解析により、臥位から立位で骨盤は後傾する傾向があることが明らかとなった。また、このような姿勢に伴う骨盤傾斜は寛骨臼の開口方向・骨頭被覆にも影響を与え、臥位から立位で寛骨臼の前方開角は増大し、前上方の骨頭被覆が減少することを見出した。この結果を踏まえ、股関節形成不全患者21例、正常股関節21例の骨盤CTのDICOM dataから、MECHANICAL FINDER ( Research Center of Computational Mechanics, Inc.)を用いて骨モデルを作成し、臥位Functional pelvic planeを基準として、骨盤を10°前傾、10°後傾させ股関節の接触面積、最大接触圧力、荷重面の最大相当応力の分布について有限要素法解析を行なった。この解析の結果、骨盤が後傾するとともに、正常股関節、股関節形成不全ともに接触面積は減少し、最大接触圧力は上昇し、接触応力の最大値は前上方へ移行し、この傾向は形成不全患者でより顕著であった。以上のことから、矢状面骨盤傾斜は股関節にかかる力にも統計学的に有意な変化をもたらすことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の当初の研究計画において、テーマの一つであった姿勢に伴う矢状面骨盤アライメントの変化が寛骨臼の開口方向・骨頭被覆といった股関節形態や股関節応力に与える影響について、CTを用いた三次元的骨形態学的解析、有限要素法を用いた生体力学的解析を行なった 。骨モデルの作成、有限要素法の解析条件・方法の確立が当初の予定通りに実施できた。さらに、当該年度中に行った解析や摘出症例の調査・観察の結果や得られた成果を取りまとめ、国内の関連学会において発表および研究論文として学術雑誌に投稿ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後本研究課題では、姿勢に伴う矢状面骨盤アライメントの変化が股関節応力に与える影響についての有限要素法を用いた生体力学的解析を勧め、症例毎の臥位/立位での骨盤傾斜変化を再現した上での有限要素解析を行う予定としている。また、それに並行した研究として、理想的な矯正骨切り術についてのシミュレーション方法の確立も目指す予定としている。また、本研究課題の他のテーマである、股関節手術を行う患者を対象とした前向き観察研究を進める予定である。股関節疾患患者の病因、年齢、性別等の疫学因子や骨形態学的因子と、矢状面骨盤・ 脊柱アライメントとの関連を統計学的に解析する予定である。
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Causes of Carryover |
使用予定であった旅費及び論文費が想定以上に発生しなかったためである.生じた次年度使用額については学会参加費及び論文投稿費用に使用予定である.
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