2020 Fiscal Year Annual Research Report
Therapeutic effect of mesenchymal stem cell transplantation on tendon-bone healing in chronic cuff tear model with suprascapular nerve injury
Project/Area Number |
18K09125
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
後藤 昌史 久留米大学, 医学部, 准教授 (70330868)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脂肪組織由来間葉系幹細胞 / 腱板断裂モデル / 陳旧性腱板断裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:腱板断裂は成人の肩関節痛や運動障害の主要原因であり、その頻度は高齢化に伴い増加しており、60歳以上では約3人に1人が罹患していると推測されてい る。しかし腱板断裂に対する手術治療については、術中に解剖学的な修復が完遂できたとしても、術後再断裂率は30%前後といまだに高率であり、特に断裂サイズの大きい患者では再断裂率は90%におよぶとの報告もあり重要な課題となっている。組織学的には修復された腱板縫合部は正常の線維軟骨層を介した4層構造が破綻し瘢痕組織で置換されて力学的強度が低下すると言われている。このような背景から多くの動物実験で間葉系幹細胞の腱板断裂への応用が試みられ、Beitzelらは間葉系幹細胞を移植することにより組織学的に正常構造に近い治癒へ導き腱板縫合部の力学的強度も増強することを報告しており、間葉系幹細胞移植は腱板断裂への臨床応用が強く期待できる手法と考えられる。今回、我々は腱板断裂における付着部再生を目指し、間葉系幹細胞のソースとして注目されてい る脂肪組織から同細胞を抽出・培養し移植を行いその効果について検討を行う実験計画を立てた。 方法:オスの10週齢SDラットに腱板断裂を作成する。術後6週に、脂肪組織由来幹細胞を移植行う。移植後、4週・8週・12週で屠殺し、病理学的検査およびバイオメカニカルテスト、筋重量の評価を行った。
結果:2018年度内で断裂モデルが安定して作成できるようになってきた。幹細胞抽出・培養も手技が安定してきており、2019年度から実際に腱板断裂モデルに細胞移植を行ってきた。2020年度では、病理学的評価、棘上筋腱付き上腕骨を採取しバイオメカニカルテストを行った。結果は研究成果報告書にて報告する。
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