2019 Fiscal Year Research-status Report
免疫学的プロファイリングによる間質性膀胱炎の病態解明と新規診断ツールと治療法開発
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18K09139
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松尾 朋博 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (60622024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大庭 康司郎 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (20593825)
大山 要 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (50437860)
宮田 康好 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (60380888)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 泌尿器 / 間質性膀胱炎 / 免疫学的プロファイル |
Outline of Annual Research Achievements |
間質性膀胱炎の患者に対し、文書によるインフォームドコンセントを行い、同意を得たうえで随時尿検体を採取している。また、対照として正常人、膀胱癌、尿路感染症の患者の尿サンプルも採取し-80℃にて冷凍保存している。それそれの群で、採取した尿検体を利用して神経伝達物質であるNGFやATP,PGE、8-OHdGなどの尿中バイオマーカーの推移を比較検討した。その結果、間質性膀胱炎患者では正常人と比較して、尿中酸化ストレスの産生が著明に亢進していることが判明した。またハンナ型間質性膀胱炎は非ハンナ型間質性膀胱炎よりも有意に各種尿中バイオマーカーが上昇していた。 現在、イムノコンプレキソーム解析を施行中である。 また同時に、腰椎麻酔下に行った膀胱水圧拡張時に得た膀胱組織検体を採取しており、得られた検体は免疫組織化学染色およびWestern Blot法、in situ hybridizationを行い、ヒト間質性膀胱炎患者における血管新生、アポトーシス、免疫機能などについてその関連因子に注目して解析を進めている。この中でも一部は既に解析が済んでおり、間質性膀胱炎患者の膀胱組織では炎症所見が強く、膀胱水圧拡張術の回数や罹患期間が長い症例では特に、膀胱線維化が強いということが判明している。また免疫組織化学染色上の炎症所見の重症度は間質性膀胱炎症状スコアおよび問題スコアの重症度と比較的強い正の相関があることを突き止めた。さらにWestern Blot法でも間質性膀胱炎患者では正常膀胱粘膜と比較し、炎症所見が強いことを確認できた。またWestern Blot法でも免疫組織化学染色法と同様に、炎症所見の重症度と間質性膀胱炎症状スコアおよび問題スコアの重症度とに正の相関があることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
尿中生化学検査、Western blot法、免疫染色などの結果を踏まえたうえで解析が進んでいる。最終2020年度に、イムノコンプレキソーム解析を行い、自覚症状を含めた各種パラメータとの関連の詳細を検討したい。
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Strategy for Future Research Activity |
最終2020年度は、イムノコンプレキソーム解析を行い、免疫組織学的染色、生化学的所見および、対象者の自覚症状との関連性を比較検討し、ハンナ病変の有無や症状の重症度とどの因子が相関しているのか検討したい。そのうえで、論文発表を行いたいと考えている。
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