2020 Fiscal Year Research-status Report
男性ホルモン補充に起因する虚血性心血管疾患に対する生体内NO量制御の有用性の検証
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18K09141
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
坂梨 まゆ子 金城学院大学, 薬学部, 准教授 (80363662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 俊博 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50244330) [Withdrawn]
筒井 正人 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70309962) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | テストステロン / NOx / 硝酸塩 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、(1)心筋梗塞発症モデル(2/3腎臓亜全摘-一酸化窒素合成酵素完全欠損)マウスの生存率測定のまとめと、(2)低NOx(NO2-/NO3-)食負荷による食餌誘発性の生体内NOxレベル低下モデルにおける硝酸ナトリウム(NaNO3)負荷実験を行った。 (1) 心筋梗塞モデルマウスを2群に分け、NaNO3または水を経口投与し生存率を比較したところ、短期投与ではNaNO3負荷群の生存率が有意に高い傾向を示したが、長期投与では、生存率の改善に有意差を認めなかった。 (2) 野生型マウスの精巣を全摘出(ORX)し、低NOx食およびNaNO3の12ヶ月間負荷による心筋梗塞の危険因子の検討を行った。対象を偽手術+通常NOx食群とし、ORX+通常NOx食群、ORX+低NOx食群、ORX+低NOx食+NaNO3負荷群を作製した。体重変動を検討したところ、対象に比してORXした3群すべてで有意な増加を認めたが、低NOx食負荷やNaNO3負荷による影響は認められなかった。空腹時血糖値は、対象に比してORX処置(ORX+通常NOx食)で有意な上昇を認め、低NOx食負荷(ORX+低NOx食)によりさらに高値を示した。NaNO3負荷(ORX+低NOx食+NaNO3負荷)は、この上昇を抑制した。食餌負荷終了後、血漿テストステロン濃度を測定したところ、対象に比してORXした3群すべてで有意な低下を認めたが、3群間に有意差を認めなかった。また、血漿NOx濃度は、対象に比してORX処置で有意な低下を認めたが、低NOx食負荷によりさらに低下し、NaNO3負荷は、この低下を抑制した。一方、食餌負荷による内臓脂肪量の変化を検討したところ、対象に比してORX処置で有意に増加し、低NOx食負荷によりさらなる増加を認めた。NaNO3負荷は、低NOx食負荷による内臓脂肪量の著明な増加を有意に抑制した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度より、実験系を食餌誘発性生体内NOxレベル低下モデルを用いた実験に変更した。昨年度、時点での計画では、食餌負荷群を6群設定し、また低NOx食の負荷期間を複数設定して同時並行で実験を行う予定であった。しかしCOVID-19感染拡大により研究機関への入校制限等が行われ、さらに必要な消耗品類の納品が遅れたことから、一部の実験を延期・中断せざるを得なくなった。(例:短期食餌負荷群のマウスの採血および臓器摘出等が、予定の日程で行えなくなった。)そこで研究計画を変更し、食餌負荷群の設定を4群に縮小し、また短期(3ヶ月)計画で食餌負荷していたマウスの負荷期間のエンドポイントを変更し、すべて長期(12ヶ月)負荷に切り替えたことで、実験を継続する策を講じた。計画変更後の実験については、概ね予定通りに進行しため、「遅れている」ではなく「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、前年度に引き続き野生型マウスを用いて、精巣摘出マウスの低NOx食負荷実験を行う。本年度は、3ヶ月または6ヶ月間の短期~中期負荷が心筋梗塞発症におよぼす影響を検討する。すでにサンプリングを終了した12ヶ月負荷群の血液ならびに摘出臓器検体については、動脈硬化のリスクファクターとなる血中脂質レベルならびに酸化ストレスの測定を行う。さらに、低NOx食負荷により増加した内臓脂肪量が、NaNO3投与により減少することが確認されたことから、脂肪組織を用いたアディポサイトカイン関連の発現検討を予定している。一方、2020年度に行なった低NOx食長期負荷マウスを用いた予備実験では、コントロールマウスに比して精巣摘出した低NOx食負荷マウスで、運動機能が変化する可能性が示唆された。このことから、2021年度についても低NOx食餌負荷期間中に運動機能の評価を行うことを検討している。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由 2020年度は、COVID-19の感染拡大防止措置により、2ヶ月に渡って研究機関への入校が制限され、研究の中断を余儀なくされた。そのため新規実験の開始が遅れ、実験計画を変更せざるを得ず、予定していた実験を1クールしか行うことができなくなった。その結果、(1)物品費については、マウスの購入数や特に費用のかかる特殊飼料の使用量が予定よりも少なくなり、また購入を検討していた実験機器の納期が未定となり購入を先送りにしたことから、計画時よりも支出が少なくなった。(2)旅費については、県境をまたぐ移動が制限されたことから、研究打ち合わせや成果発表の学会をオンライン参加で行なったため、使用しなかった。以上の理由より、2020年度に使用予定であった研究費を2021年度に繰り越すこととなった。 使用計画 2020年度に購入予定であったデータ解析装置と解析ソフト等が、納期未定となり購入することができなかったので、2021年度に物品費を繰り越して購入する予定である。また、実験で使用していた測定機器(アンプ)が故障し、修理不能となったため、購入を計画している。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Idarubicin, an Anthracycline, Induces Oxidative DNA Damage in the Presence of Copper (II)2020
Author(s)
HIDEKI MIZUTANI, CHIAKI SHIGA, MASANORI IMAI, KENJI IKEMURA, YUKI KITAMURA, KINYA OHTA, DAISUKE MIYAZAWA, MAYUKO SAKANASHI, TOMOKO TAHIRA, TOHRU MAEDA, YUSUKE HIRAKU and SHOSUKE KAWANISHI
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Journal Title
ANTICANCER RESEARCH
Volume: 40
Pages: 5399-5404
DOI
Peer Reviewed
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