2019 Fiscal Year Research-status Report
尿路結石症と脂質異常症、腎脂肪毒性との関連性についての研究
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18K09147
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
柑本 康夫 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50295820)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 尿路結石症 / 脂質異常症 / 腎脂肪毒性 |
Outline of Annual Research Achievements |
脂質異常症と尿路結石症の関連性についての臨床的検討においては、本学附属病院泌尿器科外来を受診した尿路結石症患者を登録し、脂質プロファイルや尿路結 石重症度および24時間尿化学検査などのデータを収集中である。また、男性尿路結石症患者と尿路結石を有しない前立腺癌患者において、肝臓のCT値から非アルコール性脂肪肝(NAFLD)の有無を判定し、両群間で有病率を比較したところ、15.8%と5.4%と結石患者群で有意に高かった(p=0.002)。多変量解析でも、年齢、2型糖尿病に加え、NAFLDが尿路結石症と関連する独立した因子であることが確認された。なお、2015年尿路結石症全国疫学調査データの解析については、日本尿路結石症学会による公開が遅れており、データが利用できない状況のあり、着手できていない。 腎脂肪毒性による尿細管細胞機能傷害、尿路結石形成過程への影響についての基礎的検討においては、培養尿細管細胞にtriglycerideの沈着を惹起したモデルを 作成し、この脂肪沈着モデルを用いてシュウ酸暴露による尿細管細胞傷害、炎症性サイトカインの産生、結石関連高分子物質の産生等について検討中である。ま た、メタボリックシンドロームモデルラットにおける腎脂肪沈着抑制による結石形成抑制効果の検討については、OLETEFラットにエチレングリコールを投与し、腎結晶沈着を惹起し、チアゾリジン系糖尿病薬による腎脂肪沈着量と結晶沈着抑制効果との関連性を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画1-1に記載した2015年尿路結石症全国疫学調査データの解析については、日本尿路結石症学会による公開が遅れており、データが利用できない状況のあり、 着手できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床研究においては、計画1-1に記載の尿路結石全国疫学調査のデータ公開を日本尿路結石症学会に申請し、研究に着手したい。 他の臨床研究および基礎研究については計画書に記載の通り進める予定である。
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Causes of Carryover |
2015年尿路結石症全国疫学調査データが入手できておらず、研究が遅れているため、データマネージメントに必要な人件費に余剰が生じた。
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Research Products
(2 results)