2018 Fiscal Year Research-status Report
新規RORγ転写共役因子を標的とした去勢抵抗性前立腺癌免疫療法の開発
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18K09162
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
高橋 さゆり 帝京大学, 医学部, 講師 (40313217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 隆志 大分大学, 医学部, 教授 (30380520)
中川 徹 帝京大学, 医学部, 教授 (40591730)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / RORγ / ESS2 |
Outline of Annual Research Achievements |
飛行時間質量分析計によりRORγの新たな転写共役因子としてDGCR14 (ESS2と改名)を同定したため、前立腺癌増悪との関連を調べるためin vitroの実験を中心に行った。 ESS2は臓器による発現量が異なるため、前立腺癌におけるESS2細胞の発現を検討した。その結果、ESS2はアンドロゲン感受性前立腺がん細胞株であるLNCaPよりも、アンドロゲン非感受性の前立腺癌細胞株であるDU145およびPC3で高発現していた。またアンドロゲン除去状態で培養したLNCaP細胞でもESS2の発現が上昇していた。 ESS2の蛋白精製施行したところ、ESS2は染色体構造維持に関するクロマチンリモデリング因子BAZ1やリン酸化酵素RSK2と相互作用することが分かった。 スプライソソームに含まれる蛋白Sart-1とESS2を蛍光免疫染色したところ、ESS2はスプライソソームと共局在することが分かった。またLuciferase assay ではESS2はAR+DHT投与下に活性化した ESS2shRNAレンチウイルスをPC3細胞とDU145細胞に導入しESS2ノックダウン安定株を樹立し、ノックダウン効果をRT-PCRで確認した。その発現制御解析をおこなったところ、前立腺癌増悪因子であるWNT5Aや、ケモカイン関連遺伝子群が、マイクロアレイおよびRTqPCRにおいて変動が観察された。またアクチン、DAPIで二重染色したところESS2ノックダウンPC3細胞で突起が多く伸び細胞の形状を変化させることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年4月に東京大学から帝京大学へ異動したのだが、帝京大学の基礎研究室が全く稼働していなかったため研究室の整備から開始せざるを得なかったため、予定よりも実験が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き樹立したPC3 ESSノックダウン細胞株およびDU145 ESS2ノックダウン細胞株のin vitroの実験を進めるとともに、ヌードマウスに移植しvivoでのESS2の効果をみる予定である。またヒト前立腺全摘除検体パラフィン切片よりRNAを抽出しESS2の発現、RORγの発現を調べる予定である。
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Causes of Carryover |
平成30年4月に東京大学から帝京大学に異動したため、マウス実験を行うにあたって動物実験講習の受け直しや、ラボの整備から開始したため大幅に遅れ、次年度よりマウス実験の費用にあてることになった。
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