2018 Fiscal Year Research-status Report
腎癌幹細胞に癌周囲微小環境変化が与える影響の解析:新たな治療戦略の開発を目指して
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18K09170
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大庭 康司郎 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (20593825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 保志 長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (40404256)
宮田 康好 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (60380888)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 腎癌 / 細胞培養 / 倫理委員会 / データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
・腎癌細胞培養の条件設定:本研究における細胞培養における条件設定として、基礎培地の共通化が必要不可欠である。つまり、培地のpH,グルコース濃度、酸素濃度を変化させて癌細胞のアポトーシスや各種マーカーの発現を比較検討する場合、cell lineによって基礎培地が異なることは、結果の解釈に支障を及ぼす可能性があるためである。 そこで、過去の文献を検討し、まずMcCoy-5Aによる培養を各種の腎癌のcell linesで行う準備をしている。また、アポトーシス関連因子や血管新生関連因子の発現を観察するのに必要な抗体をチェックしている。 ・動物実験:長崎大学の規定に沿った審査が必要であり、「研究の目的」および「研究実施計画」に則った動物実験の申請中である。また、研究協力者が実験に参加するための講習を受け、実験参加の許可が長崎大学より得られた。これを受けて、まずは動物の購入・飼育を行っている。 ・臨床検体:本研究を行う際には、院内倫理委員会で承認を得る必要がある。まずは、腎癌患者の調査をカルテベースにて行う必要があることより、“腎癌データベース”を作成するべく、長崎大学病院臨床研究倫理委員会へ申請し、研究許可を得た。また、付随研究として、当院を中心に他施設共同研究を行うために、参加協力の意思を示された施設へ、上記内容の説明を行った後に、各施設内の倫理委員会に申請して頂いている。さらには、本データベースを用いて臨床研究を展開し、一部学会にて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞培養に関しては、実験室内での場所の確保が予想より難しく、現在の進捗は培養条件の設定までにとどまっている。しかしながら、この間に行われた他の実験結果から、予定していた内容以外にも研究が展開できている。 また、動物実験の手続きは順調にすすんでいるが、血管新生抑制薬の購入にはまだ至っていない。 臨床検体を採取するために必要な手続きは、おおむね順調に進んでおり、すでに当院臨床研究倫理委員会においてデータベースを作成可能な状況になっている。さらに作成したデータベースの内容から、予定していた内容以外にも新たな研究展開が期待できる状況になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞培養に関しては、現在設定している培養条件下において、癌細胞のアポトーシス、CD44の発現、VEGFsなどの発現を確認する予定である。 動物実験に関しては、まず血管新生抑制薬を購入する。さらに腎癌細胞および腎癌幹細胞にGFPを発現させ、ヌードマウスの腎皮膜下に接種し、血管新生抑制薬を投与する群およびしない群に分け、飼育する予定である。 臨床検体に関しては、予定よりも多くの因子を検討する可能性がある。まずは、当院における臨床研究倫理委員会に追加申請を行い、さらなる検討が可能な状況を作る予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)2018年度に細胞実験などに使用予定であった、血管新生抑制薬が未購入であったことが一因である。 (使用計画)2019年度に、血管新生抑制薬の購入費に充てる予定である。
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Research Products
(6 results)