2018 Fiscal Year Research-status Report
前立腺肥大の発生におけるTSP-1が関わる上皮間葉転換メカニズムの解明と臨床応用
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18K09175
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
濱川 隆 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (40595394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 孝周 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (40326153)
窪田 泰江 名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (00381830)
太田 裕也 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 臨床研究医 (20814255)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 前立腺肥大症 / モデル動物 / 上皮間葉転換 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実施計画として、①モデル動物を用いた上皮間葉転換(EMT)誘導の検討、②ヒト前立腺培養細胞を用いたEMT、細胞間相互作用の検討を予定していた。本年度の進捗状況として①については間質優位型前立腺肥大症モデルラットの作成を行い、これに関しては確立した作成ができた。このラットを用いて、前立腺組織においてEMTの発現が起きているかどうかを、EMTマーカーである、E-cadherin、vimentin、αSMAの発現と局在を免疫染色で検討した。また、TGFbetaの活性化を確認するために、Smadの発現を検討した。まず、通常のモデルラット作製方法である、泌尿生殖洞移植後3週目のモデルを用いて免疫染色を行った。E-cadherinは、正常前立腺部の腺上皮細胞表面に発現が見られた。前立腺肥大部でも同様に腺上皮細胞表面に発現が見られたが、一部の腺管では発現が低下していた。vimentinは正常前立腺部、前立腺肥大部とも、間質にその発現が見られた。αSMAは正常前立腺部、前立腺肥大部の腺管を取り囲む平滑筋に発現が見られたが、前立腺肥大部では腺管周囲の平滑筋の厚みが大きくなっていた。次に、TGFβ、Smad2/3のリン酸化抗体を用いて免疫染色を行うと、TGFβは間質の一部に発現が見られ、p-Smad2/3は間質の一部の細胞の細胞質、核内に発現が見られた。何らかのTGFβパスウェイの活性化が示唆された。これらのことから、モデル動物での評価が可能である事が明らかとなったため、今後、前立腺肥大部の摘出のタイミングを変更しながら、EMTマーカーの発現の経時変化を検討する予定である。②については本年度は取り組むことができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度はモデル動物と、ヒト培養細胞での検討を予定していたが、モデル動物の解析のみにとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
モデル動物での前立腺肥大の経時的変化を検討する。また、培養細胞に関しては共同研究者と協力し、効率の良い培養、評価方法を用いてすすめていく。
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Causes of Carryover |
年度末までの計画が早期に終了し、また次のステップの研究にかかる試薬の挿入が年度を超えたので、次年度使用額が生じた。引き続き計画に沿って、前立腺肥大の発生におけるTSP-1が関わる上皮間葉転換メカニズムの解明をしていく。
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Research Products
(2 results)