2019 Fiscal Year Research-status Report
Efficacy of novel hydrogen generation using Si nanopowder in rat renal transplantation model
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18K09193
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阿部 豊文 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90750894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 正隆 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (00808925)
今村 亮一 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (40456976)
中澤 成晃 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (80759530) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 腎移植 / 臓器保存 / 虚血再灌流障害 / 水素 / ラット / 慢性拒絶 |
Outline of Annual Research Achievements |
LEWラットを通常飼料で飼育した群、粉末飼料に0.5%の割合でシリコンナノ粒子を混ぜた飼料で飼育した群に分け、シリコンナノ粒子による腎保護効果を検討した。 ①同種ラット腎移植モデルにおける効果の検討(虚血再灌流障害モデル) LEWラットをドナー、レシピエントに用いた同系腎移植を行った。ドナーより摘出した腎を 4℃に冷却したUW液で24時間保存した後にレシピエントへ移植した。レシピエントの固有腎は両側とも摘出し、死亡した時点を移植腎機能廃絶と判定した。なお、固有腎については、移植時に左腎、右腎を移植後7日目に摘出した。通常飼料群と、シリコンナノ粒子入り飼料をドナーおよびレシピエントに投与した群で、それぞれUW液による単純浸漬保存法で24時間保存したドナー腎を移植した。各群20匹の移植を行って、生着率、腎機能を評価したが、両群間に有意差は得られなかった。そこで、保存液をUW液からユーロコリンズ液に変更して同様の検討を行ったが、両群とも長期生存は得られず評価はできなかった。われわれの先行実験で、臓器保存中に直接水素を暴露した手法と比較すると、生存率、腎機能で劣る印象であった。そのため、36時間の保存やより障害の強い心停止ドナーモデルでの評価は行わず、次の慢性拒絶モデルで評価を行うこととした。 ②異系ラット腎移植モデルにおける効果の検討(慢性拒絶モデル) F344ラットをドナー、LEWラットをレシピエントに用いた異系腎移植を行った。既報、およびわれわれの先行実験では、免疫抑制薬なしで移植することで、慢性拒絶モデルとして有用であることを確認している。現在のところ、シリコンナノ粒子群の方が生着率や腎機能で良好なようであるが、現在、頭数を増やしつつ、解析を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シリコンナノ粒子の安全性、血中水素濃度の上昇を確認し、動物モデルでの検証を開始した。UW液による臓器保存法を用いて同系ラット腎移植モデルを作成し、シリコンナノ粒子投与が虚血再灌流障害を軽減しうるか検討したが、非投与群と比較して臓器保護効果は確認できなかった。保存液を変更したり、手術の条件設定を変えて移植実験を繰り返し行ったが、現時点では効果を確認できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
24時間の臓器保存でシリコンナノ粒子の投与が非投与群と比較して有意な腎機能の改善を認められず、その成績もわれわれが以前に報告した水素暴露法よりも劣るため、さらに障害の強い心停止ドナーモデルでの評価を断念し、次の慢性拒絶モデルでの評価に進むことにした。異系ラット腎移植モデルを作成し、シリコンナノ粒子の治療効果について、現在検証中である。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため、当初の見込み額と執行金額が異なった。
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