2018 Fiscal Year Research-status Report
移植腎病理レジストリ構築を介した腎移植後IgA沈着症予後予測の試み
Project/Area Number |
18K09195
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
祖父江 理 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (80452671)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小口 英世 東邦大学, 医学部, 助教 (00573297)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 腎移植後再発腎炎 / 生体腎移植 / プロトコール生検 / IgA腎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
新規バイオマーカー糖鎖異常IgA1による腎移植後IgA沈着症・腎症の非侵襲的診断・病態解明・予後予測・治療効果判定を目的に多施設共同研究を開始した。移植後1年目以降に移植腎生検を施行される腎移植後レシピエントを多施設共同研究にて集積した。 2019年4月現在159例の登録を得ている。パイロット研究では血清糖鎖異常IgA1、抗糖鎖異常IgA1-IgG、糖鎖異常IgA1-IgG免疫複合体の3項目ともにIgA沈着群、沈着なし群の群間で有意差は認めなかった。 10項目(血清糖鎖異常IgA1,抗糖鎖異常IgA1-特異的IgA,糖鎖異常IgA1を含む免疫複合体, 年齢, 性別, 尿潜血, 尿蛋白, 血清Cr値, 血清IgA値, 血清C3値)を用いた、自己腎IgA腎症検出に有用であったロジスティックモデルによるIgA腎症検出式を今回のコホートに当てはめると、レシピエントではある程度の検出力(AUC 0.65, 感度 88%, 特異度 60%)を示したが、それほど実用的とは言えなかった。ドナーIgA沈着症においては十分な検出力は認めなかった。また、1年目にはIgA沈着症を認めるものの3年後には消失した症例では1年時の免疫複合体濃度は低い傾向にあった。今年度の研究から、糖鎖異常IgA1-IgG免疫複合体定量はIgA沈着症の予後予測に有用である可能性が示唆された。 また、100例を超える血液と尿が紐づけされた移植腎病理レジストリを構築した。IgA腎症が腎移植後の再発率が高く、再発は移植腎機能廃絶のリスクであることと糖鎖異常IgA1、糖鎖異常IgA1に対する抗体、糖鎖異常IgA1を含む免疫複合体などのバイオマーカーによってIgA腎症の腎移植後の再発を予測する取り組みを論文内で報告した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度中に目標症例に達する見込み
|
Strategy for Future Research Activity |
多施設共同研究を推進し、多くの症例の集積に努める
|
Causes of Carryover |
若干の次年度使用額が生じているが、症例集積にかかる金額の減算によるものである。この額は解析に回す予定である。
|
Research Products
(11 results)