2018 Fiscal Year Research-status Report
Verification of quantification and treatment effect for lower urinary tract symptoms with fMRI.
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18K09211
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
日野 こころ 常葉大学, 健康プロデュース学部, 講師 (30555652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅田 雅宏 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 教授 (60223608)
村上 高康 常葉大学, 健康プロデュース学部, 准教授 (00387937)
有働 幸紘 藤田医科大学, 医学部, 研究員 (20793433)
河合 裕子 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 助教 (90555616)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 間質性膀胱炎 / 頻尿 / 鍼 |
Outline of Annual Research Achievements |
間質性膀胱炎は、「膀胱の非特異的な慢性炎症を伴い、頻尿・尿意亢進・尿意切迫感・膀胱痛などの症状を呈する疾患」と定義されており、過活動膀胱でも見られる頻尿や尿意切迫感などによるQOLの低下に加え、膀胱の痛みを主症状とすることが特徴的である。頻尿症状の改善は間質性膀胱炎患者のQOLの向上につながるが、明確な治療法はない。排尿機能障害に対する鍼治療では、仙骨部刺激によって排尿筋過活動を抑制し、かつ最大膀胱容量を増加させることから、尿意切迫感の改善が期待できるが、詳細な検討は行われていない。 本研究は、これまで研究の対象とされてこなかったシクロフォスファミド(CYP)誘発の頻尿モデルを作成し、仙骨部鍼刺激の効果を検討した。実験には雌性Sprague-Dawleyラット13匹用い、頻尿を誘発するために膀胱内圧測定(CMG)の施行 48 時間前にCYP(150 mg/kg)を腹腔内投与した。CMGはシリンジポンプにより膀胱内に強制的に生理食塩水を注入し、覚醒下にて測定した。4回以上の排尿を確認し、介入を加えずにさらに4回以上の排尿を評価する群をコントロール群とし、仙骨部鍼刺激を介入後4回以上の排尿を評価する群をACP群とした。
介入前のコントロール群とACP群の排尿間隔、排尿閾値圧、最大膀胱内圧、基礎圧に差は見られなかった。排尿間隔はコントロール群では変化がなかったのに対し、ACP群では有意な排尿間隔の延長が認められた。本研究はCYP頻尿モデルとして初めて仙骨部鍼刺激の効果に関する検討を実施し、刺激の介入によって排尿間隔の延長がみられ、頻尿の症状を改善することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験には雌性Sprague-Dawleyラット13匹用い、頻尿を誘発するために膀胱内圧測定(CMG)の施行 48 時間前にCYP(150 mg/kg)を腹腔内投与した。CMGはシリンジポンプにより膀胱内に強制的に生理食塩水を注入し、覚醒下にて測定した。4回以上の排尿を確認し、介入を加えずにさらに4回以上の排尿を評価する群をコントロール群とし、仙骨部鍼刺激を介入後4回以上の排尿を評価する群をACP群とした。CMGの評価は、排尿間隔、排尿閾値圧、最大膀胱圧、基礎圧とした。
介入前のコントロール群とACP群の排尿間隔(p=0.5)、排尿閾値圧(p=0.7)、最大膀胱内圧(p=0.2)、基礎圧(p=0.8)に差は見られなかった。排尿間隔はコントロール群では変化がなかったのに対し(p=0.7)、ACP群では有意な排尿間隔の延長が認められた(p=0.004)。排尿閾値圧はコントロール群では有意な減少があったのに対して(p=0.04)、ACP群では変化が認められなかった(p=0.4)。基礎圧はコントロール群では変化がなかったのに対して(p=0.1)、ACP群では有意な減少が認められた(p=0.03)。
本研究はCYP頻尿モデルとして初めて仙骨部鍼刺激の効果に関する検討を実施し、刺激の介入によって排尿間隔が延長することを確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究はCYP頻尿モデルとして初めて仙骨部鍼刺激の効果に関する検討を実施し、刺激の介入によって排尿間隔の延長がみられ、頻尿の症状を改善することが明らかとなった。次年度は頻尿に対する効果機序の詳細な検討を行うとともに、刺激量に対する効果の変化について調査を実施する。また、ACP群での基礎圧の有意な減少に関してはこれまでに実施した酢酸誘発頻尿モデルにおいても確認されており、排尿間隔の延長との関連性を調査する。
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Causes of Carryover |
業務の兼ね合いで国際学会への参加を見送ったことに加え、研究分担先である明治国際医療大学での動物飼養環境が整わなかったことから出張旅費等が当初の予定通りに支出されなかったため、次年度使用額が生じた。2019年度支払申請額と合わせて、研究費は主に試薬等の消耗品の購入やデータ解析装置に充てる他、研究成果の公表に必要な費用として使用する予定である。
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