2020 Fiscal Year Research-status Report
Mitochondria quality control in aged sperm and egg
Project/Area Number |
18K09224
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
折坂 誠 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 講師 (80324143)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ミトコンドリア / 酸化ストレス / 体外受精 / 精子 / 胚 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞には不良ミトコンドリアを除去し、ミトコンドリアを品質管理するメカニズムが存在する。本研究では、ミトコンドリア品質管理システムを司るタンパクの一つであるMitochondria-eating protein (Mieap) に着目し、Mieapが精子・卵子の機能や受精後の胚発育にどう影響するかを解析することで、生殖細胞におけるミトコンドリア品質管理システムの役割を検討している。 Mieapノックアウトマウスから回収した精子(Mieap-KO精子)と卵子(Mieap-KO卵子)を機能解析し、野生型マウスの精子(WT精子)や卵子(WT卵子)のそれと比較検討した。さらには、これらの精子と卵子を用いて体外受精を行い、受精や胚発育の様子を観察した。 Mieap-KO卵子の機能は、WT卵子と同等で、よく保たれていた。Mieap-KO精子は、精子の中片部で酸化ストレスが誘導されており、精子機能が著しく低下していた。Mieap-KO精子をWT卵子と体外受精すると、受精率が低下するだけでなく、受精後に胚で酸化ストレスが誘導され、多くが2細胞胚で発育停止した(2-cell block)。この2-cell blockは、低酸素環境や抗酸化物質の添加でレスキューされた。以上の結果より、ミトコンドリア品質管理システムは精子機能と胚の体外発育に必須のメカニズムと考えられた。 Mieapのノックアウトにより、精子機能が著しく低下する一方で、卵子機能が損なわれることはなかった。この精子と卵子の違いについて、細胞の品質管理を担うメカニズムが、精子はp53、卵子はp63と、それぞれ異なるタンパクが司っていることが理由と考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度までは順調に進捗していたが、2020年度はCOVID-19の対応に追われ、実験を行う時間的余裕がなく、研究が一旦ストップしてしまった。
|
Strategy for Future Research Activity |
COVID-19対応に並行して、研究を再開・完遂し、その成果を英文論文で発表することを目標としている。
|
Causes of Carryover |
2020年度は、COVID-19対応により実験が一旦ストップしてしまった。2021年度は、COVID-19対応に並行して、研究を再開・完遂する見込みである。
|