2020 Fiscal Year Research-status Report
指接着型胎児オキシメーターと胎児心拍数モニタリングを併用した新規分娩管理法
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18K09226
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
内田 季之 浜松医科大学, 医学部附属病院, 准教授 (90570234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 尚裕 浜松医科大学, 医学部, 副学長 (70204550) [Withdrawn]
伊東 宏晃 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70263085)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 胎児well-being / 胎児モニタリング / 酸素飽和度 / オキシメーター / 胎児低酸素 / 新生児酸素飽和度 / 医療機器 |
Outline of Annual Research Achievements |
開発したオキシメーターでは動脈血の拍動を感知するものではないため、通常のパルスオキシメーターと違い出生直後から組織酸素飽和度を測定することが可能である。選択的帝王切開では新生児一過性多呼吸といった呼吸障害で入院することは稀ではない。出生直後の新生児に対して開発した指接着型プローブを用いて組織酸素飽和度を測定した。 妊娠36週以降に行った選択的帝王切開の症例で麻酔直後の内診による胎児組織酸素飽和度を測定し、出生後の新生児の頭部から測定値を得た(出生後1分、3分、5分)。実際に新生児呼吸障害となった症例と正常児で組織酸素飽和度を比較、検討した。35例の帝王切開症例中、新生児呼吸障害で入院した症例は7例であった。正常児と呼吸障害症例の組織酸素飽和度値(中央値)は、分娩前ではそれぞれ52.0%、42.5%、出生後1分は42.0%、46.0%、出生後3分では41.0%、47.0%、出生後5分では45.0%、54.0%であった。3分(p = 0.004)と5分(p = 0.007)で両群に有意差を認め、有意に呼吸障害症例で低値となった。出生直後でも迅速に測定できるオキシメーターが新生児呼吸障害に対して有用である可能性を示した。以上の成果を論文発表した。 胎児・新生児用プローブをさらに新規開発し、Bluetoothを介して組織酸素飽和度がモニターに表示されるシステムは完成した。臨床応用を行っており、内診指に装着したプローべを分娩時に児頭に接着させて胎児低酸素の指標となり得る組織酸素飽和度を測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響で、内診による比較的長時間の測定が困難となっていた。そのため、当然に生じた胎児機能不全に対し新型コロナウイルス検査結果を待ってから診察しなければならなく、測定するタイミングを逸していた。
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Strategy for Future Research Activity |
入院前にPCR検査をするようにしており、新型コロナウイルス感染症について気にすることなく測定可能となった。今後、胎児機能不全となった症例に対し測定を行い、症例を蓄積して分娩児胎児モニタリングとしての有用性について結果をまとめたい。他施設にも現在測定をお願いしているところである。
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Causes of Carryover |
臨床研究が進まず、統計解析、論文作成費(英文校正、投稿費用)などが使用されなかったため。
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