2018 Fiscal Year Research-status Report
エストロゲン伝達系を介した子宮体癌浸潤転移機構解明と新規分子治療のための基盤確立
Project/Area Number |
18K09233
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
森 泰輔 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00569824)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 子宮体癌 / エストロゲン / 受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、エストロゲン関連受容体が子宮体癌の浸潤転移を制御する未知の機構を明らかし、ターゲット化合物として同定された薬剤の抗腫瘍効果について検証することを目的として以下の実験を行った。① エストロゲン関連応答配列(ERRE; 5’-AGGTCA-3’)をレポーターとしたルシフェラーゼアッセイ、ERR/ER結合アッセイ、リアルタイムPCR法を用いてERRaのリガンドとしての特性を評価した。② WST-8アッセイ、コロニー形成アッセイ法を用いて細胞増殖作用を明らかにした。③マトリゲル浸潤アッセイを用いて浸潤・遊走能を評価した。④フローサイトメトリー法を用いて細胞周期解析を行った。⑤ アポトーシス評価法(caspase3/7アッセイ、AnnexinV、TUNEL法)を用いてアポトーシス誘導作用を明らかにした。⑥ 子宮体癌細胞株 5x10^6個をヌードマウス皮下に移植し、低分子化合物をマウスに投与しその抗腫瘍効果を評価した。その結果、ターゲット化合物がERRE転写活性を抑制すること、WST-8アッセイで細胞増殖を有意に低下させ、アポトーシスを誘導することを明らかにした。コロニー形成アッセイでも同様の結果を得た。TUNEL法に用いてアポトーシス評価をしたところ添加後アポトーシス誘導作用を示した。マウスモデルを用いた系においても化合物添加群で腫瘍はサイズ、量とも縮小した。以上より、エストロゲン関連受容体の転写活性抑制化合物により子宮体癌細胞株およびマウスモデルに対する抗腫瘍効果を認めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ターゲット化合物がエストロゲン受容体転写活性抑制効果を示し、抗腫瘍効果を認めたから。
|
Strategy for Future Research Activity |
抗腫瘍効果の分子メカニズムについて分子生物学的手法を用いて検証する。
|
Causes of Carryover |
研究経過が予定よりも順調に経過したため
|